サラリーマンを“うつ”に追い込む構図 産業医が解説

★「8割の会社員がうつ予備軍」の衝撃

2013.06.12


【図1】【拡大】

 

 「『会社は私に何もしてくれないんですね。わかりました。今から死にます』なんて脅迫まがいのメールを送りつけてくる会社員も増えてますからね。見てしまった以上、医師としてはもちろん対応せざるをえないのですが……」とは多くの有名企業の産業医として、サラリーマンのうつ病の症例を見てきた榛原藤夫氏(仮名)。匿名を条件に各業種のうつ病の実態を明かしてくれた。

 「サラリーマンの8割はうつ予備軍と言っても過言ではないでしょうね。適度なストレスは仕事の生産性を高めますが、一定以上のストレスは、生産性を低めるだけ。現在は、多くのサラリーマンが、図1でいう抑うつ状態になる危険性のある、過度なストレスのなかで働いているんです」

 榛原氏によると、うつを生む職場環境は4つに大別できるという。

 「図2のように、仕事のストレスは、“仕事の要求度”と“仕事の裁量・上司の支援・報酬”とのバランスで決まります。ストレスが多く、うつを生みやすいのは、まず要求度は高いのに報酬が低いブラック企業型。次に、報酬は高いが、常に実力以上の働きを求められ、達成できなければクビ、という外資企業型。そして、カリスマ的トップの下、外資企業型の働きを求められる中間層と、ブラック企業型の働きを求められる下層が混在する新進イケイケ企業型です」

 ストレスが少なくてもうつを生む職場環境もある。

 「報酬は高いのに、仕事の要求度は限りなくゼロに近い、昔でいう窓際族。給料が高いから辞められないけど、仕事はなくて、周りにもバカにされている。今どき役にも立たない窓際族を飼っておけるのは、企業にゆとりがある証拠。敬意をこめて“最後の楽園型”と呼んでいます(笑)」(榛原氏)

 現在もっとも多いタイプは?

 「最後の楽園型が多かったのが、企業に余裕がなくなり、新進イケイケ企業型の職場環境へと変革を迫られている過渡期の状態ですね」

 職場環境の急変によってストレスがたまってうつが増えていく……これがアラフォーサラリーマンをうつに追い込む構図なのだ。

 ■榛原藤夫氏(仮名) 社員の健康管理を専門とする産業医として、現在まで10社以上の企業での産業医に従事。うつ病で休職中のサラリーマンの復帰を支援するリワーク制度にも関わっている【続きを読む】

ZAK×SPA!記事一覧

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5000円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!