Updated: Tokyo  2013/06/21 12:25  |  New York  2013/06/20 23:25  |  London  2013/06/21 04:25
 

貿易赤字は5月で過去最大、スマホやLNG輸入増-輸出も高水準 (2)

Share Google チェック

  6月19日(ブルームバーグ):日本の5月の貿易統計(通関ベース)は輸出から輸入を差し引いた貿易収支 が9939億円のマイナスと5月で過去最大の赤字になった。輸出増が事前予想を上回ったが、スマートフォン好調を受けた通信機や円安による鉱物性燃料の輸入が増えた。

輸入は前年比10%増の6兆7616億円と7カ月連続で増加。通信機が最も寄与した。東電原発事故を受けた液化天然ガス(LNG)輸入増も続いている。輸出は10%増の5兆7676億円と3カ月連続増で、2010年12月以来の伸び率。軽油や灯油などの輸出が伸びた。貿易収支は11カ月連続の赤字で、単月でも過去3番目の大きさ。財務省が19日発表した。

ブルームバーグ・ニュースの調査による事前予想値は輸入が11%増、輸出が6.4%増、貿易収支は1兆2200億円の赤字。予想を上回った輸出は、自動車が伸びた米国向けが16%増と5カ月連続で増加。中国向けも8.3%増と2カ月連続で増加した。EU(欧州連合)向けは4.9%減だった。為替は1ドル=99.27円と対前年比23%の円安。

バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストはリポートで、貿易赤字の解消は少なくとも2015年度までは視野に入らないと予想した。背景の1つとして輸出動向を示し、金額に比べた数量の回復ペースが弱いとして「足元の輸出の回復が主に円安効果に支えられており、需要の強さを反映したものではない」と述べた。輸出の数量指数は前年同月比4.8%減と12カ月連続で減少している。

輸出、下振れリスクとも

。第一生命経済研究所の大塚祟広エコノミストは発表前のリポートで、輸出の先行きについて「円安による押し上げ効果や海外経済の回復を背景に増加が見込まれる」としながらも、中国経済の回復の足取りの鈍さなど、下振れリスクがあると指摘している。

5月の貿易統計の季節調整済み前月比は、輸入額が4.7%増で6兆6738億円、輸出額は3.2%増の5兆8527億円、貿易収支は8210億円の赤字だった。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net

更新日時: 2013/06/19 13:27 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。