東電側争う姿勢 原発事故自主避難、京都地裁損賠訴訟
東京電力福島第1原発事故に伴い福島県郡山市から京都市内に自主避難している一家が東電を相手に、約1億3千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が19日、京都地裁(齋木稔久裁判長)であった。東電側は政府の指針に基づく額以上は賠償しないとし、争う姿勢を示した。
東電は答弁書で、年間1ミリシーベルトを超える被ばくが直ちに健康に悪影響を与えるとの原告の主張は「誤った理解に基づく」と反論した。除染の効果も、郡山市が本年度までに教育施設や住宅で重点的に実施するとしていることから、「効果を上げていないと評価することはできない」と指摘した。政府の原子力損害賠償紛争審査会の指針に基づき、夫婦と子どもの5人家族への賠償額は292万円と主張した。
原告側は、避難により仕事や人間関係を失い、ストレスでうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患って就労不能となるなど、一家が受けた精神的苦痛は大きいと訴えている。
閉廷後、原告代理人は「政府指針で示された額は最少値で、裁判を拘束するものではない」と話した。
【 2013年06月19日 15時36分 】