アジア・太平洋株式サマリー:全面安、FRB議長発言で
6月20日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式 相場は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を発表した後の上昇分を消した。中国の銀行の信用収縮が悪化しているとの懸念が広がったほか、バーナンキFRB議長が年内に債券購入を縮小する可能性があると発言したことを受け、株安が進んだ。
ハンセン指数 は前日比604.02ポイント(2.9%)安の20382.87と、昨年9月13日以来の安値で終了。ハンセン中国企業株指数(H株 )指数は同3.3%安の9265.30で引けた。
金融株や不動産株を中心に下落。世界最大の銀行、中国工商銀行 (1398 HK)は3.8%値下がり。銀行間の資金調達のしやすさを測る指標が約7年ぶりの大幅上昇となったことが売り材料となった。
香港上場の中国本土の不動産会社で2位のチャイナ・リソーシズランド(華潤置地、1109 HK)は6.9%安。売り上げの大半を北米で稼ぐ電動工具メーカーのテクトロニック・インダストリーズ(創科実業、669HK)は4.9%下げた。
KGIアジアのベン・クウォン最高執行責任者(COO)は、「近いうちに信用収縮が起こるだろう」と指摘。「中国人民銀行(中央銀行)の狙いは銀行に問題を解決するよう圧力をかけることだ。中国の景気減速観測はすでに高まっている」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式 市場で、上海総合指数は約6カ月ぶり安値に下落。指標となる短期金利が過去最高に上昇したことや、HSBCの製造業購買担当者指数(PMI)で活動縮小ペースの加速が示されたことが嫌気された。
平安銀行(000001 CH)や中国民生銀行(600016 CH)が安い。銀行間の資金調達のしやすさを測るレポ金利 が少なくとも2006年以来の高水準に上昇したことが売り材料となった。江西銅業(600362 CH)が09年3月以来の安値を付けたほか、エン州煤業(600188 CH)が7%値下がりするなどエネルギー株も下げた。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前日比59.43ポイント(2.8%)安の2084.02と、昨年12月13日以来の安値で終了。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は同3.3%安の2321.47。
華西証券の曹雪峰アナリストは「バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて株式相場が好転することはありえない」と指摘。「HSBC製造業PMIも支援材料にならず、経済が回復の兆しを見せていないことが示唆されている。流動性の逼迫(ひっぱく)についても神経質な見方が広がっている」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は下落。指標のセンセックス30種指数は1年9カ月ぶりの大幅安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が債券購入計画を縮小する可能性を示唆したことを背景に、ルピーは対ドルで過去最安値に沈んだ。
ボンベイ証券取引所(BSE)のセンセックス30種 は前日比526.41ポイント(2.7%)安の18719.29で終了。終値ベースとしては2011年9月22日以降で最大の値下がりで、今年4月15日以来の安値となった。この日の売買高は30日平均を50%上回った。インドで民間銀2位のHDFC銀行 を中心に銀行株が下げた。製鉄会社、ジンダル ・スチール・アンド・パワーは9.7%安と、構成銘柄の中で最もきつい値下がり。
ルピーは対ドルで下げ、過去最安値を記録。バーナンキFRB議長は19日、月額850億ドルの債券購入の縮小を年内に開始し、14年半ばごろに購入を停止する可能性を示唆した。刺激策の縮小についてバーナンキ議長が示唆した先月22日以降、センセックス30種は6.7%下げている。
【オーストラリア株式市況】
ASX200指数は前日比102.99ポイント(2.1%)安の4758.39。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比37.82ポイント(2%)安の1850.49。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比108.48ポイント(1.4%)安の7898.91。
更新日時: 2013/06/20 21:42 JST