20日の東京外国為替市場で円相場は大幅に反落。17時時点では1ドル=98円07~10銭近辺と、前日の同時点と比べ3円4銭の円安・ドル高で推移している。年内にも資産購入を縮小する方針を示したバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の19日の会見を受け、前日のニューヨーク市場に続いて東京市場でも円売りが優勢だった。
朝方、円は大幅に水準を切り下げて始まった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とバーナンキ議長の発言を受けて米金利が上昇。日米金利差拡大が意識され、円売り・ドル買いが膨らんだ。
バーナンキ議長が量的金融緩和縮小に踏み込んだ発言をしたことを受け、東京株式市場で日経平均株価が下げて始まった。下落幅を拡大した場面では円を買い戻す動きが優勢となり円は下げ渋った。9時20分すぎに一時96円20銭近辺まで下げ幅を縮めた。その後、正午にかけて方向感がなく、もみ合った。
夕方に欧州市場で取引が始まり、欧州勢が円売り・ドル買いに動いた場面では急速に下げ幅を拡大。17時すぎに一時98円29銭近辺まで下げ幅を広げた。
9~17時の円の安値は98円17銭近辺で、値幅は1円97銭程度だった。
円は対ユーロで大幅に5日続落。17時時点では1ユーロ=129円69~73銭近辺と、同2円43銭の円安・ユーロ高で推移している。円安・ドル高が波及し、対ユーロでも円売りが優勢だった。17時すぎに一時129円89銭近辺の円安・ユーロ高水準を付けた。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに大幅反落。17時時点では1ユーロ=1.3223~26ドル近辺と同0.0168ドルのユーロ安・ドル高で推移している。バーナンキ議長の発言を受けてドルは主要通貨に対して買われ、東京市場でもユーロ売り・ドル買いが膨らんだ。
オーストラリア(豪)ドルは対ドルで大幅に下落。17時時点では1豪ドル=0.9189~93米ドル近辺と同0.0312米ドルの豪ドル安・米ドル高で推移している。6月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想を下回り、経済的な結びつきの強い豪州景気への懸念から豪ドル売りが進んだ。夕方に豪ドル安・米ドル高が加速すると、一時0.9188米ドル近辺と2010年9月9日以来2年9カ月ぶりの安値を付けた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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