特集

3.11大震災
関連リンク
関連機関

福岡のログハウス、山元で再生 10年前の高校卒業制作

宮城県山元町の被災地で移設作業が進むログハウス

 東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県山元町に、福岡県の高校生が10年前に卒業制作したログハウスが移設された。いったん役割を終え、活用先を探していた。復興支援に携わるNPO法人が地元特産品の直売所として活用する。思い出の建物は被災地の復興に役立てられる。

 ログハウスは床面積約100平方メートル。福岡県嘉麻市の嘉穂工高(2007年3月で閉校)土木科を02年度に卒業した20人が建築した。
 もともとは福岡県飯塚市のキャンプ場で倉庫として活用されていたが、キャンプ場が2年前に閉鎖となり、昨年末に解体された。
 提供したのは、同校の教諭仲間だった白石文紀さん(62)と久保田克利さん(69)、白石さんの友人の立花真一郎さん(69)の3人。3月上旬に資材の杉丸太約60本を山元町へ搬送し、ボランティアと共に組み上げ作業をしている。
 制作を指導した白石さんは「学びやが閉校となった上、生徒たちの努力の証しまで失うのはしのびなかった」と振り返る。移設先を探し、山元町で直売所の運営を計画していたNPO法人「未来に向かって助け合い」(宇都宮市)に寄贈した。
 移設先は、津波で被災した同町牛橋地区の県道相馬亘理線沿い。白石さんは「九州から遠く離れた地で再び命を吹き込むことができてうれしい。復興の手助けになれば、制作した卒業生も喜んでくれるはず」と話す。
 来月中旬にも移設作業を終え、店舗は年内にもオープンする。住民が仮設住宅などで手作りした小物や織物、地元特産のイチゴなどを販売する。
 同法人の福井福治理事長(64)は「素晴らしい造りで感激した。復興のシンボルに育てたい」と意気込む。


2013年05月25日土曜日

Ads by Google


△先頭に戻る