値決め日急騰劇の“カラクリ” FPG、ステップの例で検証 安定操作利用した株価操作!?
夕凪所長のイベント投資100% 第85回
ここ最近、マザーズや東証2部から、東証1部へ昇格するために行われる、公募・売出銘柄の値動きが荒っぽい。
9月28日の引け後に東証1部指定の発表があったFPG(7148)。同時に公募・売出の発表も行われた。FPGの株価は、東証1部指定の好感よりも、公募・売出の嫌気の方が優勢で、翌日から株価は下落。しかし、そこから、あれよあれよと株価は急上昇し、発行価格決定日には上場来高値を更新した。
しかし、その翌日からは株価が急降下。公募・売出株の発行価格に張り付いてしまった。
もし、このような株価推移がFPGだけだったら、「個別事情」による株価乱高下という見方もできたであろう。しかしながら、10月3日の引け後に東証1部指定と公募・売出の発表が同時に行われたステップ(9795・2部)についても、全く同じような値動きとなった。
一体なぜ、こんな荒っぽい値動きになったのか。誰が何の目的で行っているのであろうか?
一番考えられそうなのが、株価を高値で売れば得するFPGやステップの関係者の株価操作である。しかし、そんな操作がバレたら、社会的な地位を失いかねない。誰が売買したか簡単に追跡できる現状では、リスクが大き過ぎで、実行するとはとても思えない。
では誰なのか? ヒントとなりそうなのが、FPGとステップの株価について、安定操作期間中に公募・売出株の発行価格に張り付いたことである。そしてこの価格で主幹事は多くの株買い取りを余儀なくされた。
もし、発行価格決定日に向け、引け際に大量の買いを入れて株価を吊り上げに成功すれば、発行価格を高くすることができる。たとえば大引け間際の数分間で10%の株価上昇に成功したとしよう。発行価格の割引率が終値から6%としても、大引け間際まで購入していた株については、最低でも発行価格よりも4%安く買えたことになる。 安定操作期間中は、株価が下落した場合でも、主幹事が発行価格で無限の買い支えをすることが、ほぼお約束となっている。このため、仕込んだ株を安定操作時期に、発行価格ですべて買ってもらうことができるのである。そう考えるとすべてが納得いく。
FPGの株価推移
かなりリスクがありそうな仕掛けではあるが、そこは、したたかな計算が見える。
FPGとステップともに、公募・売出によって東証1部指定の条件を満たすようである。このため公募・売出を「ヤメタ」とは言えない。東証1部に行けなくなってしまうためである。
また、もともと出来高が薄い銘柄であり、ある程度の資金力があれば株価を上昇させやすい。そして東証アローヘッドの導入により、数分―数秒で△10%以上の株価上昇も可能となった。
これで結局損するのは公募・売出に応募した投資家である。割高な価格で買わされることになるからである。もちろん、株価が割高と判断した投資家は応募をキャンセルできなくもないが、IPO株が割り当てにくくなるなどの不利が起きる可能性もある。
公募・売出の制度について、本格的に見直しが必要な時期が近付いているのかもしれない。
掲載日時:2012/10/28 09:58