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社会・経済 2013.06.18(火)

【中編】パチンコ好きがバカな理由 利用者の多くは低学歴&低収入?

>>前編より

 とはいえ、テラ銭があるのだから、長期的にやれば勝てるわけがない。そんなことは最初から分かりきっているのに、ハマってしまうのは、例外なくバカだけだ。まず、業界の食物連鎖の底辺にいるプレイヤーのバカぶりを見てみよう。

「お客さんは、基本、低学歴で低収入。見た目が汚いし、臭いですよね。たとえば月収16万円だったら、8万円をパチンコに突っ込んで、牛丼だけ食べて生きているような人がパチンコファンです。毛玉だらけのセーターとか、サラリーマンでもヨレヨレのスーツとか、着るものに頓着しない人が多いです。ただ、たまに一発当てることもあるので、時計だけやけに高級だったりして、それがまたわびしかったりします」(同前)

 もちろん、そんなすさんだ生活を送っている人種に人格者はいない。

「パチンコ屋に来る連中はマナーがなってないですよね。たとえば、かつてあるパチンコ店が新装開店したとき、負けた客が閉店までにトイレのウォシュレットを全部壊していったという事件がありました。パチンコ屋のトイレは壊れていることが多いですよ。普通にトイレを使っていても、手を洗わないでハンドル握って、それを誰も気にしなかったり、もう低俗です。負けた腹いせに上皿にタバコの灰をまき散らしたり、ジュースを流し込んで使えなくさせたりと、人間のクズみたいなのも多いです。最近では通常1玉4円だったのに、不景気だということで、1玉1円、50銭、25銭なんていう低貸営業のシマが増えていますが、このあたりは、最果ての村みたいな感じです。台に殴りかかったり、ドル箱投げたり、動物以下の蛮行を普通にやってます。未だに親がパチンコに夢中になって子供を車内放置させて死亡させる事件が後を絶たないのは、パチンコが悪いというよりも単にパチンコ好きな親がバカだからです」

 多少マナーのある客でも、しゃべり始めるやいなや、ウザい。

「多くのパチンコファンは『あのとき、何箱出た』とかいう話を、よく覚えていて、世界遺産でも見て来たかのような人生の一大イベントとして語ります。でも、それって誰でも入れるその辺のパチンコ屋で起きたことで、全部、運が良かっただけの話ですからね。凄い貧しい思考回路だと思うんですよ」(同前)

 そして、そうした底辺の連中をカモにしているのが業界人だが、これがことごとく人間のクズである。

「パチンコだけで生活している『パチプロ』は今はほとんどいません。今のパチンコは技術が通用しなくなって、運の要素が強まっていますから、稼げないんです。だから、プロを自称しているのはほとんど詐欺師。仮にいたとしても、生活するのがやっとというレベル。ひたすらハンドル握るだけで、月に20万稼いで何が楽しいんですか。昔は『開店プロ』と言って、甘い台の多い新装開店の店だけ狙うプロがいましたが、この方法は今は通用しません。一方で、『誌上プロ』と言われるパチンコ雑誌でコラムなどを持っているライターは結構、儲けてます。パチンコ雑誌は小さいものも含めるとだいたい10誌ぐらいあって、パチンコライターは100人ぐらい。普通物書きは食えないものとされていますが、パチンコは別で、一時期は月に4、50万稼げる人もザラでした。もちろんライターなんていっても、文章力は“てにをは”すら怪しいレベルでまともな日本語は書けません。別に攻略情報も持っていませんし、雑誌のギャラも大したことはありませんが、ホールの営業がおいしかったんです」(同前)

 パチンコライターの「ホールの営業」とはいかなるものなのか。

 従来からパチンコ屋は集客のために定期的にイベントを打ってきた。もともとパチンコ屋は「7」のつく日をイベントとして告知しておき、玉が出るということを暗示していたが、これが射幸心を煽るということで当局から規制されてしまった。そこでパチンコ店がひねりだしたのが、ライターイベントだった。

 パチンコライターが来店するということは、7のつく日に代わる出玉イベントとして認知されるようになり、次第に客が押し寄せるようになったという。

「雑誌名と自分の名前を名乗って『今日は僕が見たところ、海物語がアツい』などと店から言われたことをそのまま言って後はサイン会とか撮影会をやる程度の簡単なものですが、数年前からバブルの時期があって、ペーペーのライターでも1回10万円。大物ライターともなると30万円。中には月に500万円も稼ぐ猛者もいたとか。そんな状況に浮かれて勘違いするライターも増えてしまい、困ったものです。パチンコなんてほぼ運なのに、ホールで『CS放送で見たよ! あのときスゴかったよねえ』なんて言われているうちに、勘違いしてしまったようです。

 世間のことを何も知らずにパチンコだけやってきた人間がいつの間にか『グリーン車じゃないと嫌だ』『もっとランクの高いホテルにしろ』『誠意を見せてほしい』なんてホールに言い出して、タレント気取りですよ。特に女ライターはひどくて、とんだへちゃむくれ顔でも、パチンコ業界に女が少ないということもあって、チヤホヤされた挙げ句、女優気取りですからね。

  仕事の打ち合わせや電車の中で、『あの機種の演出がさ~』なんて大声で話すライターもいますが、やめてほしいです。パチンコの話は、人に聞こえないように小さな声ですべきですよ。ライターは全員ペンネーム、というより偽名を使っているので、それなりに世間に申し訳ない恥ずかしいという気もあるのかなと思っていますが、まだまだ世間から無職同然だと思われているという認識が足りないようです」(同前)

>>>後編へ続く

(文・星野陽平)

※この原稿は『実話BUNKAタブー』2012年12月号の記事を一部修正したものです。画像はイメージです。本文とは一切関係ありません。

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