自動改札機から約10センチ離しても反応するマナカ=名古屋市中区の市営地下鉄久屋大通駅で
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全国の私鉄やJRなどが発行するICカード乗車券の相互利用が始まって、もうすぐ三カ月。地域別に何種類かのカードを使い分けている人は注意が必要だ。改札を通る際に複数枚が同時に反応し、使えない状態になる可能性がある。一枚だけを、しっかりタッチすることが大切だ。
愛知県の女性(60)は、名古屋市営地下鉄や名古屋鉄道などで発行するICカードのmanaca(マナカ)と、首都圏の私鉄などで発行するPASMO(パスモ)の二枚を持ち歩いている。
先日、東京へ行った際は、かばんの底にパスモを入れておき、JR原宿駅でカードを取り出さずに、かばんごと改札の読み取り部にタッチして入場した。
後日、大阪でマナカを使おうとしたところ、読み取りエラーになった。駅員に問い合わせると、JR原宿駅で入場した状態のままになっているという。パスモを使って乗車した際、同じかばんに入れた財布にあったマナカも同時に反応してしまっていたらしい。「二枚の履歴を照合した上で解除手続きをしないと、マナカは使えない」と言われた。
解除手続きを頼んだが「手続きは入場したJR東日本管内でないとできない」という。愛知県からだと、JR東海道線の熱海駅(静岡県熱海市)以東の駅に行く必要がある。残高は三千円ほどあるが、わざわざ解除のために出向くのは大変なので、そのままにしている。女性は「カードが相互利用できるようになったのだから手続きも統一してほしい」と話す。
名古屋市営地下鉄栄駅の改札口に張られた注意喚起ポスター
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名古屋市交通局は「改札機を通る時は、パスケースやかばんに複数枚のカードを入れないで」と呼び掛ける。
IC対応の改札機の反応領域は、タッチする読み取り部中央から半径約十センチのドーム状の空間。これは、交通各社ともほぼ同じという。ただし、ケースやかばんの素材によっては、もっと近づけないと反応しない場合もある。
二枚同時にかざした場合は通常、改札機が閉じて通れない。ただ、かざしたタイミングに一定の時間差があり、一枚目の処理が終わってから二枚目がかざされた場合は両方とも処理してしまうことがある。この場合、改札通過の際に読み取りを知らせる電子音が二回鳴る。
女性のように、同じかばんの中に二枚入れている場合や、手に持ってかざしたカードと別のカードが入ったかばんが読み取り部分の近くを通過した場合などに、両方とも反応することがある。
鉄道会社の一部は、改札付近に二枚以上持っている人に対し、注意を促す掲示を出している。利用しないカードは読み取り部分から離しておくことが大事という。
予期せず反応したICカードの入場解除の手続きは、入場した駅を管轄する鉄道会社の管内でしかできない。払い戻し、紛失などによる再発行、ポイント加算なども、相互利用サービスの対象外になる。
(田辺利奈)
<ICカード乗車券の相互利用> 今年3月から始まり、JR四国を除くJR5社と、中部や首都圏、関西、九州の大手私鉄など11事業者・団体が発行するTOICA(トイカ)、Suica(スイカ)などICカード乗車券計10種類が対象。1枚のカードで、北海道から九州まで計142事業者の鉄道やバスを利用できる。相互利用可能なサービスは、電車やバスの利用(読み取り機がある場合)のほか、自動券売機でのチャージ、カード利用履歴の表示(一部の機器を除き)、カード残高を使った乗車券購入などもできる。
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