焼却灰など福島で集約 厳しい6月20日 17時46分
放射性物質を含む焼却灰などを、発生した県ごとに処理するとした国の方針に対し、一部の自治体から「福島県で処理すべき」という意見が相次いでいることを受けて、環境省の井上副大臣は福島県には受け入れる余裕がないことを確認したとして、関係する自治体にこれまでの方針への理解を求めていく考えを示しました。
一定の濃度を超える放射性物質を含む草木や下水汚泥の焼却灰などの「指定廃棄物」について、環境省は栃木、茨城、千葉、群馬、宮城の5つの県では、発生した県ごとに最終処分場を建設して処理する方針ですが、一部の自治体からは「福島県で集約して処理すべきだ」などと反発する意見が相次いでいます。
環境省の井上副大臣は20日の会見で、今週、福島県に他県の指定廃棄物を受け入れられるか確認したところ、「福島ではほかにも処理に見通しがたっていない廃棄物があり、極めて厳しい状況だ」として、受け入れる余裕がないという回答があったことを明らかにしました。
井上副大臣は「発生した県ごとの処理を拒む意見が出続ければ、話は進まない。指定廃棄物の保管は各地でひっ迫している状況で、早く処理を進めなければならず、各市町村長から賢明な判断や意見が出ることを信じている」と述べて、関係する自治体にこれまでの方針への理解を求めていく考えを示しました。
茨城・高萩市長「集約して処分すべき」
当初、指定廃棄物の最終処分場の候補地とされた茨城県高萩市の草間吉夫市長は「指定廃棄物は全国で1か所に集約して処分すべきであり、高濃度に汚染された物質を拡散させずに管理するべきだ」と述べ、発生した県ごとに処理するとした国の方針は受け入れられないという考えを示しました。
そのうえで、処分場の候補地については、「国が考えることであり、高萩市が考えることではない」と述べました。
茨城県では、今月27日に最終処分場を巡り、市町村長が意見を交わす2回目の会議が開かれる予定で、草間市長は「国からの説明を受けて、方針は変わらないのか改めて確認したい」と話しています。
栃木県知事「各県処理の理解促進に期待」
これまで「県内で処理するべき」という考えを示していた栃木県の福田知事は「福島県での受け入れの可能性について市町村長からたび重なる確認の要請があったので、環境省としても対応してくれたと思う。井上副大臣の会見によって各県ごとの処理に理解が促進されるよう期待をしたい」と述べました。
栃木県では、21日、県内26の市長と町長が集まって指定廃棄物の処分場の問題について協議する予定で、福田知事は「あすの会議で大いに県内での処理について議論してほしい」と述べました。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|