中国は世界再高速のスーパーコンピューターの保有国に返り咲いた。ドイツのライプチヒで17日に行われた「世界スーパーコンピューター会議」で、中国科技大学が開発した「天河2号」が現存するスーパーコンピューターで最高速の演算処理速度を記録したことが認定された。
スーパーコンピューターは、気象予報や宇宙航空分野、粒子物理学などの研究で膨大なデータを処理し、複雑なシミュレーションを行うために使われ、一国の科学技術力の指標となる。
同日発表された世界500大スーパーコンピューターのリストによると、天河2号は演算処理速度テストで33.86ペタフロップス(1ペタフロップスは1秒間に1000兆回の浮動小数点数演算(実数計算)を実行できることを示す)を記録し、1位になった。2位の米国エネルギー省オークリッジ国立研究所の「タイタン」(17.59ペタフロップス)に比べ2倍近いスピードだ。3位は米国エネルギー省ローレンス・リバーモア国立研究所の「セコイア」、4位は富士通の「京」だった。
スーパーコンピューターの順位は、年間2回集計される。中国は2010年11月の順位で「天河1号」で初めて首位となり、その後は米国と日本が1位の座を占めてきた。今回10位圏内には、米国が5台、中国とドイツが各2台、日本は1台がランクインした。
学界は中国の著しい技術発展に驚いている。天河2号は2015年に開発が完了すると見込まれていたためだ。天河2号はこれまでの中国のスーパーコンピューターとは異なり、インテルのメーンプロセッサーを除けば、主要部品が中国で作られた。
韓国の成績は伸び悩んだ。気象庁のスーパーコンピューター「ヘオン」「ヘダム」はそれぞれ91位、92位だった。77位、78位だった昨年末の順位に比べ14ランク後退した。アジアでは日中だけでなく、サウジアラビアの2台(52位と60位)よりも劣った。
韓国科学技術情報研究院(KISIT)の「タキオン2」とソウル大の「チョンドゥン」はそれぞれ107位、422位で500位圏内には入ったが、前回評価より順位が後退した。韓国もスーパーコンピューターの重要性を認識し、2011年にスーパーコンピューター育成法を施行。昨年には育成基本計画を立てたが、未来創造科学部(省に相当)はまだ具体的な事業に着手していない。