鎌倉
「出口の見えないシリアの内戦。
特集ザ・フォーカスは、内戦を激化させる大きな要因となっている、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織『ヒズボラ』に焦点をあてます。」
激しい戦闘が続くシリア。
一時は劣勢と見られていたアサド政権側が、このところ勢いを盛り返し、各地で攻勢に出ています。
その原動力となったのが、アサド政権を支援するために参戦した隣国レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」です。
ヒズボラ最高指導者 ナスララ師
「我々は最後まで戦う。」
レバノンとシリアの国境付近で何が起きているのか。
ヒズボラが支配する地域にカメラが入りました。
シリアに戦闘員を送り出す家族たち。
親族
「彼の殉教は誇りです。」
一方で、シリアの内戦を拡大させるとしてヒズボラへの批判も高まっています。
ヒズボラによるシリア内戦への参戦は、この地域に何をもたらすのか。
レバノンからの報告です。
髙尾
「先月(5月)、レバノンのシーア派組織『ヒズボラ』がシリアのアサド政権側にたって参戦を表明。
これをきっかけにアサド政権側が巻き返しを強め、シリアの内戦の泥沼化に拍車がかかる要因となっています。」
鎌倉
「今日(19日)は、この『ヒズボラ』の実態に迫ります。」
黒木
「『ヒズボラ』はアラビア語で『神の党』を意味します。
1982年に、当時レバノンを占領していたイスラエルに対する武装闘争を行う組織として結成されました。
軍事力は国軍をしのぐとも言われていまして、レバノン南部や東部を支配しています。
イスラエルへの攻撃を繰り返してきたヒズボラは、アメリカやイスラエルから『テロ組織』に指定されています。
レバノン南部の山間部には、イスラエルとの武装闘争の際にヒズボラが築いた地下トンネルが今も残っています。
今回、NHKに取材が許可されました。
7年前、イスラエルが侵攻した際にもヒズボラはここからゲリラ攻撃を仕掛けました。
イスラエル軍を苦しませたヒズボラは、アラブ世界で“英雄”と称賛されました。
そのヒズボラ、同じシーア派のイランから財政や軍事の両面で支援を受けていまして、シリアのアサド政権とも密接な関係にあります。
これがヒズボラが内戦に参戦した理由だとされています。」
鎌倉
「シリア情勢に大きな影響を与えているヒズボラの参戦。
そのヒズボラの本拠地で何が起きているのか。
NHKの取材班は、ヒズボラが実効支配するレバノン東部に入りました。」