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「室伏選手はJOCの犠牲者」
6月19日 16時59分

「室伏選手はJOCの犠牲者」

スイスにあるスポーツ仲裁裁判所は、IOC=国際オリンピック委員会の選挙で当選を無効にされた陸上の室伏広治選手の訴えを退けた裁定の詳しい内容を公表し、室伏選手はJOC=日本オリンピック委員会の「犠牲者だった」として、JOCの責任を指摘しました。

室伏選手は去年8月、ロンドンオリンピックの期間中に行われたIOCのアスリート委員の選挙で違反行為があったとして、当選を無効にされ、室伏選手とJOCはスポーツ仲裁裁判所に当選無効の取り消しを求める申し立てを行いましたが、仲裁裁判所は先月、訴えを退けました。
仲裁裁判所は18日、裁定の詳しい内容を公表しました。
それによりますと、室伏選手はトップの票を獲得しましたが、IOCは、JOCが日本の選手団に室伏選手への投票を呼びかける文書を配ったことや、室伏選手が携帯電話のクリーナーを配ったり、選挙活動が禁じられている選手村の食堂で投票を呼びかけたりしたことが違反行為に当たるとして、当選を無効としました。
裁定ではこれらを事実と認めたうえで、「IOCの決定を支持する」としています。
一方で、「室伏選手は過剰に熱心だったJOCの犠牲者であり、彼自身の行動は不正を意図したものではなかった。室伏選手の評価とスポーツマンとしての誠実さは全く損なわれていない」と強調し、選挙活動を主導したJOCの責任を指摘しました。

JOC「今回の反省踏まえ活動」

スポーツ仲裁裁判所の詳しい裁定内容が公表されたことについてJOC=日本オリンピック委員会は「スポーツ仲裁裁判所の裁定を尊重したい。今回の裁定で室伏選手の名誉が守られたことを前向きに捉えたいと思う。JOCとしては違反行為があったという今回の反省を踏まえ、今後のアスリート委員選挙の活動に生かしたい」と話しています。
また、オリンピックに詳しい元日本体育協会国際担当の伊藤公さんは、違反行為が行われた原因について、「IOCの選挙のルールが厳しくなっているという傾向をよく調べず、JOCが選挙活動を進めた結果で、国際的な情報不足が原因だったと思う」と指摘しました。
そして、この時期に裁定内容が公表されたことについて「聴聞会が開かれるまで時間がかかったこともあるが、オリンピックの開催地決定を2か月余りあとに控えたこの時期に発表されれば、JOCのイメージダウンとなる」と話していました。

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