福岡市長「ニーズある」 風俗施設近くの保育所計画
福岡市の高島宗一郎市長は19日の定例記者会見で、市がラブホテルなどが立ち並ぶ地域に認可保育所の移転を計画し、保護者から反対の声が上がっている問題について、「百点満点の土地ではないとの認識はある」と説明。都心で働く母親のニーズを考慮し総合的な判断だったとの見解を示した。
移転先は同市中央区今泉1丁目の空き地で、裏手に風俗営業法に基づく県条例で保育所から半径50メートル以内の営業が禁じられるパチンコ店があるほか、半径200メートル以内の営業が禁じられるラブホテル7軒などがある。
高島市長は会見で「子どもを深夜まで預け、仕事の後に迎えに行ける保育所がほしいという親のニーズがある」と移転理由を説明。保育所の近くに風俗施設の営業を禁じた風営法の趣旨に行政自らが反する行為をしているとの批判については、「一概にここが良いとか悪いとかいえない。百点満点の土地の確保は難しい中で、できる限りの努力を払っていくことが大事」と話した。
風俗施設に近いことに加え、隣接道路に歩道がないことや避難経路が十分確保されてないことに、保護者から不安の声が上がっている点については「不安を取り除く作業を早くしていればよかった」と、事業の進め方に再考の余地があったとの認識を示した。
=2013/06/20付 西日本新聞朝刊=