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【サッカー】

イタリアの弱点はピルロ

2013年6月20日 紙面から

 1次リーグA組初戦でブラジルに大敗した日本代表は19日(日本時間20日)、第2戦のイタリア戦(レシフェ)で今大会初勝利を目指す。負ければ最終戦を待たずに敗退が決まる可能性もある崖っぷちの一戦。母国との初対戦に向け、アルベルト・ザッケローニ監督(60)はイタリア攻略のカギとして、司令塔のMFピルロ(ユベントス)の守備が弱点と分析。両サイドを使った幅広い攻撃から手薄になる中央のピルロの守備という「盲点」を突き、堅固なイタリア守備網を打ち破る。

 すべてのパスはピルロに通ず−。イタリアでそう語られるほど、中盤の底に構えるピルロが必ずと言っていいほど攻撃の起点になる。前線のバロテリとのホットラインは脅威で、遠藤は「その2人を分断するような形に持って行きたい」、香川は「ピルロになるべく自由を与えないように」と言った。もちろん、そこは最重要な警戒ポイントなのだが、日本の狙いはそこだけではない。

 長所と短所は表裏一体。イタリアの堅固な守備にあって、岡崎が「ピルロが弱点」と言い放てば、前田は「ピルロが(イタリアの)いい部分と言えるけど、守備力がちょっと弱い」と不敵に語った。戦術ミーティングで、母国を丸裸にしたザック監督から、ピルロのインテリ肌の性格や独特なプレースタイルの背景に関する細かい指摘があり、選手たちへ「彼は守備力が弱い。そこを突け」という具体的なメッセージが通達されたようだ。

 岡崎と香川があえてサイドで攻撃の起点を設けることで、ピルロの守備を補完するために配置されるモントリーボとデロッシを左右へ引き出し、ピルロを孤立させて突き崩そうという戦略だ。そして、少ない好機で先制点という強烈な張り手を食らわさせられるか。

 イタリアを熟知するもう1人の男、長友は静かにこう言った。

 「イタリア人の気質は知っているが、彼らは勝負事で先制されることに慣れていない。焦る気持ちも出てくる。理想は先制点を取ること」

 ブラジル戦で喫した惨敗劇。長谷部は「トライできなかった、トライしなかったことに悔いが残っている」とうめいた。ただ、どん底を見たからこその反発力、意地もある。食事会場などでは即席の反省会、話し合いが断続的に行われ、選手たちの士気は高く、岡崎は「勝つんだという姿勢を見せたい」と原点回帰を強調した。

 「アズーリ」撃破の目標がかなえば、夢はまだ紡ぎ直せる。 (松岡祐司)

 

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