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東浩紀氏「次世代のジョブズを育てるための”残酷な選別”が必要」 – 評価経済時代の”個”を考える:part3

東浩紀氏「次世代のジョブズを育てるための”残酷な選別”が必要」 – 評価経済時代の”個”を考える:part3

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スティーブ・ジョブズを育てる仕掛け

諏:あのー、モデレーターなんですけど、東さんの話にすごい同意しつつ、反論したいところがひとつあって、下を育てないと、自由な個人だけだと育たないみたいな話、それだと意味が無いじゃないかみたいな話があったんですけれども。loftwork.comというフリーターのネットワークというかコミュニティを運営してるんですね。今1万6千人ぐらいの方が登録をしてて、大体1日に100件ぐらいビジネスマッチングが行われてるんですね。

元々これ1999年ぐらいのGoogleが出たばっかりの頃、僕がデザイナーだった時に、営業がとっても嫌で、これ何とかできないかなと。というので将来自分も含めて、デザイナーってみんな営業って嫌なので、これが営業しなくてもきちんとビジネスマッチングが起こる、需要と供給が結びつけるようなプラットフォームを作りたくて、実はスタートしてるところではあるんですね。ぶっちゃけてしまうと。

結果として気がついたら13年ぐらいやってて、1日100件ぐらいで、ロフトワーク自体が仲介してるのも、年間に1500人ぐらいのクリエイターさんと一緒に仕事をしていて、プラットフォームとしては結構お金が動いて、もちろんグローバルの世界でいったら、もっと強いプレイヤーはたくさんあるんですけども、日本でいったらそこそこビジネスマッチングが起こってる。

ただ残念ながらフリーランスと企業の間でマッチングが行われてるので、育っているかっていうと、そういった育つようなプラットフォームできてるかっていうと、疑問なので、まぁOpenCUみたいなの始めたっていうのもあるんですけれども、つまり何が言いたいかっていうと、プラットフォームしかロフトワークって実は作ってなくて、私自身も。

ロフトワークという組織の中では人を育ててるんですけども、プラットフォームだけでも意味があるんじゃないか、っていうことが言いたいことなんですけれども。そこらへんってどうですかね? プラットフォームだけでもいいじゃないか、みたいな。

東:プラットフォームは大変意味があると思うんですよ。そのうえで、これは今までみたいな冗談ではなくて本当に反発を覚えるんではないかと思いながら言うと、今日本で必要なのは、スティーブ・ジョブズが死んだ時いっぱい言われたみたいに、ジョブズみたいな人間なわけですよ。

プラットフォームをいくら整備しても、ジョブズが1万人のうち100人現れるということはやっぱり無いんですね。プラットフォームにプラスして何かが必要ですよね。プラットフォームにプラスして何かが必要っていうのは、ある意味でみんながこのプラットフォームに来れば情報が交換できるとか何とかじゃなくて、残酷な選別なんですよね。こんな言い方あんまりしたくないですが、どんなすごい能力持ってる人っていうのは、その背景に物語があるわけですよ。

何歳の時に誰と出会ったとか、たまたまこの人に出会ってこうなったらああなったみたいな。それはつまり、選別が行われているということなんですね。しかもそれは大抵の場合偶然ですよ。ほとんど。その偶然の選別っていうものを、たまたま出会ったこいつをどう活かすかみたいな。何かの選別のシステムがないと、そのプラットフォームで。平均的な能力、平均的な社交性を持ってる人間はいっぱい出てきましたって以上にいけないんですよね。僕はそう思います。これは人生観とかクリエーション観とか世界観とかに関係してる話なので、あんまり人には共有できない。僕はそう思ってるんです。

諏:いや、すごい同意します。それ故にこのOpenCUってものを作ったってところもあるんですね。loftwork.comだけで作れないプラスアルファの部分を、こういう場で作ってみましたっていうオチなんですけど。逆にこういうイケダさん、東さん、家入さんっていうこの3人。三様なんですけど。この中でやっぱり異様だなと常々思うのが、イケダさんなんですよね。

家:イケダ君、イケダさんがなぜ異様かっていうエピソードを言っていいですか? 

諏:はい。

家:僕このエピソードが本当好きなんですよ。言っていいですかね? この前彼とランチしたんですよ。その時初めて会った時だったっけ? 初めて会った時にランチして、肉久しぶりって言うから、えー肉食べてないんだって言ったら、基本的に家でご飯食べる人なんだけど、家では野菜しか食べないんですよ。

諏:ベジタリアン。

家:うん。で何で野菜しか食べないの? ベジタリアンなの? いや、そういうわけじゃないんだけどって言って。何でかって聞いたら、野菜、多分ドレッシングとかも使わないんだと思うんだよね。野菜だけだと洗剤で洗わなくていい。水だけで皿が綺麗になる。そういう視点から野菜だけ食べてる。これすごいなと思って。僕ちょっと感動したんですよ何か。洗剤代かかんないし、エコだし、健康にもいいし。あーっと思って。そんな風に考えたことなかったと思って。何でそうなっちゃったの? 

イ:裏にあるのは結構真面目な話で、生活コストを下げたいんですよね。根本的な欲求としては。なのでやっぱり僕は思考と姿勢としては農業なんかをやって、自分で自給自足をしたいですし、家賃も3万ぐらいのところに住んで、奥多摩あたりで農園付きの家を借りて、家族3人で食費も月2万円とかいけたら最高じゃないですか。当然その中には洗剤とかもかかってくるわけです。それも下げられたら面白いですし。

あとボディソープとかシャンプーとかも、実は石鹸ひとつでいいだったり、何かこう色々と考えとして、ニーズがすごく今現代社会で細分化されてるのが、僕はちょっと疑問視してみたんですよね。男性だって顔を洗うのが洗顔剤と頭のシャンプーとリンスと、ボディソープと色々あるじゃないですか。そんなの石鹸ひとつでいいやと。昔石鹸ひとつでやってたしっていう。

洗剤を使わないってことは真面目な話で、僕はそのわりとニーズが細分化されているのをもう一度統合しようというのと同時に、生活コストを下げて環境負荷を抑える、あまりエコとかそういうのはそんなに興味ないですけど、そういう実験の一環として考えたものでございます。

家:すごい重要なことで、笑い話にするつもりで言ったわけじゃないんだけど。実験でやってるんだよね。生活だったり人生を実験として捉えてやっていて、この観点ってすごい大事だなと思うんですよね。だからこそ僕は別にそこに対して、いやいや若いんだからもっと頑張ろうよとか、肉食おうよとか、そういう風に全然思わないわけなんですよ。すごい面白いって思うんですよね。面白くないですか? 面白いですよね。だからもっと突き詰めてほしいんですよね。もう土食って生きてますみたいな(笑)。

イ:なるほど。なるほど。

家:何か中国にいるじゃないですか。

イ:いますよね。

家:あれ多分土から養分を摂れる体になっちゃってるんですよ。ね、そうですよね? 

東:いやイケダさんが土から栄養を摂れるんだったら僕はもう尊敬しますよ。そうなんですか今? それはお金もいらないですよね。

家:その境地までいくと思うんですよ。

東:それ評価も経済もいらない世界じゃないですか。

家:あっはっはっは(笑)。

東:大丈夫ですか? イケダハヤト絶賛時間終わったんですか? 

諏:いや大丈夫ですよ。そのままな感じで。

東:これやっぱりOpenCUは何かイケダさんと関係してますよね。絶対に!

諏:あのね僕がムラムラといじりたくなっちゃう。ここにイケダさん目当てで来てる人って何人かちらほら見えると思うんですけど。

東:イケダさん推しすごいなぁ(笑)。OpenCUのイケダさん推しにびびってますよ僕は。多分そのことだけで連続3ツイートぐらいしますね。家帰ったら。これは何かあると。金か性かどっちかだと。

諏:どちらかというと性かもしれない(笑)。

東:あぁやっぱり……。そうらしいですよイケダさん。

イ:はい……。

諏:あっはっはっは(笑)。

東:これ受け入れてく感がありますね。今イケダさんは。これが社会か、やむを得ないみたいな。オレの夢の為にはみたいな雰囲気が漂ってましたよ今。

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