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放出目指す水からセシウム 東電、測定方法に誤り 地元理解困難に


 東京電力の福島第1原発(上)と設置された地上タンク=4月、福島県大熊町
 東京電力は3日、福島第1原発で増え続ける汚染水を減らすため、敷地内の井戸でくみ上げ海への放出を目指している地下水について、これまで放射性セシウムが検出限界未満だったとする検査は測定方法に誤りがあり、再測定の結果、1リットル当たり0・61ベクレル検出されたと発表した。

 地下水が原子炉建屋に流入しないよう迂回(うかい)して海に放出する「地下水バイパス」をめぐっては、地元漁業者から海洋汚染や風評被害への懸念の声が上がっている。今回のミスで東電の測定結果への信頼が揺らぐのは必至で、放出への地元理解を得るのは困難になる可能性が出てきた。汚染水対策が行き詰まり、廃炉作業への影響も出かねない状況だ。

 東電によると、測定する地下水自身に放射線を遮る効果があることを考慮しなかったため、測定機器周りの放射線による影響を過大に評価するミスにつながり、測定結果が実際より低くなってしまったという。地下水をためた一時貯留タンクの水を4月16日に採取し、第1原発内の測定機器で調べたところセシウムは検出限界未満だった。しかし5月30日に原子力規制庁から測定方法に問題があるとの指摘を受け、第1原発から約10キロ離れ、空間放射線量が低い福島第2原発で同じ試料を再測定すると、6月3日にセシウム134が1リットル当たり0・22ベクレル、137が0・39ベクレルとの測定結果が出た。

 東電は海への放出の条件を、地下水1リットル当たり放射性セシウム137が1ベクレル未満としているが、これは下回った。

 東電は7日と13日、福島県内で漁業者に対し、今回のミスを含めて地下水バイパスに関する説明を行う予定で、「関係者に対し、地下水放出の前には毎回、一時貯留タンクの水を検査することをしっかり説明したい」と話している。

 (共同通信)

2013/06/04 14:14

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