Updated: Tokyo  2013/06/20 07:22  |  New York  2013/06/19 18:22  |  London  2013/06/19 23:22
 

6月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルはほぼ全面高、FRB議長が資産購入の終了に言及

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで2カ月ぶりの大幅高。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は資産購入ペースを今年緩める可能性があり、経済の改善が続けば来年に終了することもあり得ると述べた。

ドルは主要16通貨の過半数に対して上昇。連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、月間850億ドルの資産購入ペースを維持すると表明し、経済へのリスクは低下したとの認識を示した。これより先、ユーロは対ドルで2月以来の高値に接近し、円は堅調に推移していた。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は「ドルは当面、ユーロと円に対して支えられるだろう。刺激縮小見通しが前面に出てくる可能性があるからだ」と指摘。「出口戦略や資産購入の調整についてバーナンキ議長がこれほど明確にするとは意外だった」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後5時4分現在、ドルは対ユーロで0.7%高の1ユーロ=1.3295ドル。対円では1.2%上昇して1ドル=96円45銭。ユーロは対円で0.4%高の1ユーロ=128円22銭。

FOMCは声明で、「景気と労働市場の見通しに対する下振れリスクが(昨年)秋以降小さくなってきた」との認識を示した。さらに、労働市場やインフレの見通しの変化に応じ、適切な政策緩和を維持するため委員会には資産購入ペースを加速あるいは減速させる用意があると、あらためて表明した。

2014年半ばごろ

バーナンキ議長は記者会見で、「入手するデータがこの経済予測と大まかに一致すれば、年内に購入ペースを緩めるのが適切だと委員会は現在のところ見込んでいる」と説明。さらに、「その後のデータもわれわれの現在の経済予測と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろに購入を終了させる」と続けた。

米金融当局は2008年以降、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0-0.25%で維持している。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「ドルは堅調さを増しており、緩和縮小の予想と合致した流れと言えよう」と指摘。「インフレは弱い状況が続くとみられているが、当局は労働市場の改善を予想しているようだ」と話した。

主要6通貨に対するドルの動きを示すインターコンチネンタル取引所のドル指数は0.8%上昇して81.319と、10日以来の高水準を付けた。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、円はこの1カ月で6%上昇。先進国10通貨中で最も上昇率が大きい。ユーロは2.2%上昇、ドルは1.5%の値下がり。

みずほフィナンシャルグループの法人外国為替セールスバイスプレジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)はドルが上昇を続けるには「97円を超える水準で明確に引ける必要がある」と述べた。

原題:Dollar Gains Most in 2 Months as Bernanke Signals Bond-BuyTaper(抜粋)

◎米国株:3日ぶり反落-FRB議長が債券購入縮小の可能性に言及

米株式相場 は3日ぶり反落。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、年内に債券購入ペースを「緩める」可能性があると発言したことが手掛かり。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比1.4%安の1628.93。ダウ工業株30種平均も1.4%下げて15112.19ドル。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの債券戦略担当ナショナル・マネジングディレクター、ジョージ・ラスナック氏は「金融当局は綱渡りをしている」と指摘。「市場に対して資産購入の縮小開始に備えさせると同時に、混乱するほど規模が大き過ぎたり、ペースが速過ぎたりすることはないと安心感を与えてバランスを取っている。これは微妙な境界線だ」と述べた。

バーナンキ議長は連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、年内に債券購入のペースを「緩める」可能性があるとしたほか、2014年半ばごろに購入を終了するかもしれないとも述べた。FOMCは会合後に発表した声明で、景気と労働市場の見通しに対する下振れリスクが「(昨年)秋以降小さくなってきた」と指摘した。

◎米国債:利回り15カ月ぶり高水準に上昇、当局がリスク低下を指摘

19日の米国債は下落。10年債利回りは15カ月ぶりの高水準に押し上げられた。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が景気への下振れリスクは軽減していると指摘、2014年に資産購入を終了する可能性もあると述べたことに反応した。

10年債利回り は3週ぶりの大幅上昇。バーナンキ議長は月間850億ドルの資産購入ペースを年末までに緩める可能性があると述べた。さらに景気が予想通りに拡大した場合は、2014年の年央あたりに終了する可能性があることも明らかにした。金融政策当局者は今年の失業率とインフレ率見通しを引き下げた。

フェデレーテッド・インベスターズで100億ドル相当の資産運用に携わるドナルド・エレンバーガー氏は「市場参加者はバーナンキ議長の発言をタカ派的と受け止めている」と述べ、「インフレ低下については一時的な影響を反映しているとして、重要視しなかった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後3時24分現在、10年債利回り は13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して2.32%。2012年3月21日以来の高水準だった。

◎NY金:引け後の電子取引で下落、4週ぶり安値-FRB議長会見で

ニューヨーク金先物相場は下落し、ほぼ4週間ぶりの安値となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が年末までに債券購入ペースを緩める可能性があるとの見解を示したことが背景。

バーナンキ議長は連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で、この先発表される経済指標が当委員会の現在の経済見通しとおおむね合致するようであれば、資産購入を来年上期を通じて段階的に縮小し、来年の年央あたりに購入を終了するだろうと述べた。

RBCキャピタル・マーケッツの先物取引世界戦略責任者エドワード・ラシンスキー氏は電話インタビューで「インフレは低い水準にとどまり、緩和策は終了する可能性があるため、金を買う理由はなくなる」と指摘。当局の資産購入縮小計画に対し、「金の投資家は神経質になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限はフロア取引終了後の電子取引で、午後3時33分現在は0.6%安の1オンス=1358.70ドル。一時は1356.10ドルと、5月23日以来の安値をつけた。この日の通常取引は前日比0.5%高の1374ドルで終了していた。

原題:Gold Declines to Four-Week Low on Bernanke’s StimulusOutlook(抜粋)

◎NY原油:下落、FRB議長が資産購入の終了に言及

ニューヨーク原油先物相場は下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、連邦公開市場委員会(FOMC)が資産購入の縮小を年内に開始し、来年に終了する可能性があると発言した。

バーナンキ議長は「入手するデータがこの経済予測と大まかに一致すれば、年内に購入ペースを緩めるのが適切だと委員会は現在のところ見込んでいる」と発言。これを受けて引け後の電子取引では一時、0.9%安まで売り込まれた。会見前にFOMCは声明で、現行の資産購入ペースを維持すると表明し、原油相場はほぼ変わらずで引けていた。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は「政策の極めて大きな転換を意味しており、そのために相場は下げている。市場はさらに弱気に傾いた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限はニューヨーク時間午後3時44分(日本時間20日午前4時44分)現在の電子取引で、前日比40セント(0.4%)安の1バレル=98.01ドル。一時は97.57ドルまで下げた。通常取引は20セント(0.20%)安の1バレル=98.24ドルで終了。7月限は20日に最終取引を迎える。

原題:Crude Falls as Bernanke Says Fed on Course to End AssetBuying(抜粋)

◎欧州株:小安い、FRB議長発言に注目-ノルデア銀行が大幅安

欧州株式 相場は総じて安い。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表やバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見で、量的緩和の継続期間についてどのように示唆されるかが注目されている。

スウェーデンの銀行最大手、ノルデア銀行は1年ぶり大幅安。同国政府が30億ドル相当の保有株を手放したことが嫌気された。フィンランドのエンジニアリング会社、コネクレーンズは6.7%下落。利益見通しの下方修正が売り材料。一方、フランスの通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントは1年2カ月ぶり高値を付けた。少なくとも10億ドルの資産売却計画を発表した。

ストックス欧州600指数 は前日比0.2%安の292.36で終了。騰落比率は約2対3。バーナンキFRB議長が米景気に持続可能な改善が見られれば金融緩和策の縮小は可能だと表明した5月22日以降は、5.9%下げている。

VTBキャピタルのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ニール・マッキノン氏はブルームバーグテレビジョンに対し、「市場がせめてこれだけはと求めているのは、バーナンキ議長による幾らか明確な説明だ」とし、「現状を維持する経済の要因はあるが、米金融当局や諮問委員会はおろか、バーナンキ議長自身でさえ、量的緩和が金融の不均衡と過剰なリスクテークを引き起こす可能性があるとこれまでに指摘している」と語った。

この日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が下落した。バーナンキ議長の記者会見は、欧州市場の取引終了後に行われる。

原題:Most European Stocks Drop Before Fed as Nordea,Konecranes Slide(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が反発、FRB議長発言に注目-英国債も上昇

欧州債市場ではドイツ国債が3日ぶりに上昇。19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が債券購入プログラムをめぐりどのような発言をするかが注目されている。

比較的安全な資産を求める動きを背景に、ドイツ10年債利回り は1週間ぶり低水準に接近。ポルトガル2年債は4営業日続伸した。この日の証券入札で15億ユーロ相当を発行したことが手掛かり。資産運用を手掛けるクーツはボラティリティの高まりが買いの好機をもたらしたとして、アイルランド国債を先週購入したことを明らかにした。

ダンスケ銀行のチーフアナリスト、アラン・フォンメイレン氏(コペンハーゲン在勤)は「縮小開始時期についてのバーナンキ議長の発言内容が注目されている」とし、「議長は極めて慎重になるだろう。債券利回りが現行水準なら耐えられるが、ここから大きく上昇することを望んでいないからだ。ボラティリティは最近高まったが、この動きは続くだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時27分現在、ドイツ10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。17日には1.51%まで下げ、7日以来の低水準となった。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.11上げ99.475。

フォンメイレン氏は同利回りが6カ月以内に1.60%まで上昇すると予想している。

ポルトガル2年債 利回りは12bp低下の3.26%。11日以来の低水準となる3.22%まで下げる場面もあった。アイルランド10年債 利回りは3bp下げ3.88%。11日には4.26%と、3月以来の高水準を付けた。

英国債

英国債相場は3日ぶりに上昇。イングランド銀行(英中央銀行)がこの日公表した6月の金融政策委員会(MPC)議事録によれば、一部メンバーは量的緩和の拡大が正当化できるとの見解を示した。

ロンドン時間午後4時29分現在、英10年債利回りは1bp低下し2.13%。前日までの2営業日で8bp上げていた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.065上げ96.835。30年債 利回りは2bp下げて3.42%となった。

原題:Germany’s Bunds Rise Before Bernanke asPortuguese Notes Advance(抜粋)Gilts Advance as BOE Minutes Show Some Support forU.K. Stimulus (抜粋)

更新日時: 2013/06/20 06:52 JST

 
 
 
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