英中銀議事録:資産購入枠を維持-キング総裁は最後も少数派
6月19日(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は今月5、6日の金融政策委員会(MPC)で、資産購入枠 を3750億ポンド(約55兆7000億円)で維持することを6対3で決めた。今回が最後の会合となったキング総裁は規模拡大を求めたものの、大半のメンバーは英経済の回復が定着しつつあると判断した。
19日公表の議事録によると、マイルズ委員とフィッシャー委員も資産購入枠の250億ポンド拡大を主張。政策金利 を過去最低の0.5%に据え置くことについては、MPCメンバー9人全員が支持した。
議事録によれば、大半のメンバーは「景気回復が一段と定着しつつある」とし、「MPCによるこれまでの資産購入の効果がまだ浸透しつつあり、融資のための資金調達スキーム(FLS)と合わせて経済活動を後押しし続けるはずだ」との見方を示した。
当局者らはインフレ見通しが「多少は」好ましくなったと認識した一方、大半のメンバーはインフレ率が年内は2%の中銀目標を上回る水準にとどまる可能性があると分析した。
キング総裁ら少数派は「見通しが示唆するのはほんの控え目な成長回復と失業状況の比較的小さな改善だ」として、金融政策を通じた一段の刺激が必要だと主張。成長を妨げている経済のバランスを取り戻す必要性があり、ユーロ圏からのリスクは引き続き「著しく」、国内のコスト圧力は弱いとも指摘した。
MPCは議事録で「全般的に、最近のニュースは景気が2013年を通じて緩慢だが持続的に回復する状況に一致すると判断した」としている。
キング総裁の今月末の任期満了に伴い、カナダ銀行(中央銀行)総裁から転身するマーク・カーニー氏が新総裁に就任する。
原題:King Loses Final BOE Vote as Majority Sees RecoveryStrength (1)(抜粋)
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更新日時: 2013/06/19 18:55 JST