ドル95円前半、5月貿易赤字は予想を下回る9939億円
[東京 19日 ロイター] - 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ若干ドル安/円高の95円前半。ドル/円は、ユーロ/円の上昇に支えられた上昇気流に乗り、貿易統計発表後に一時95円後半まで上昇したが、高値では戻り売りニーズに押され反落した。
実需筋では、94円台では輸入企業の買いが目立つという。一方、95円台では、売り遅れ気味の輸出勢の売りニーズがあるという。
5月の貿易赤字は事前の市場予想を下回る9939億円となった。ロイター予測の中央値は1兆2000億円の赤字だった。輸出は前年比プラス10.1%、輸入は前年比プラス10.0%。
貿易赤字発表直後に、ユーロ/円が128.13円と前日ニューヨーク市場高値の128.07円を上抜けて上昇したことに便乗して、ドルは一時95.66円付近まで上昇したが、インターバンクでフォロースルーの買いがみられなかったため、ユーロ/円の反落に連動して95円前半まで下げた。
今週に入ってドル/円の反発が続いていることから、「ドルは当面下げ止まった」(外銀)との指摘が複数上がっているが、そうした見方に懐疑的な声も出ている。「少し長いチャートでみれば、下げ止まったというよりは、アベノミクスをめぐるひと相場が終了したとみたほうが妥当だろう。今年後半のテーマはもはや日本ではなく、米国に移っていくと考えている」(投資家)という。主要テーマの移行過程で、まだ調整していない米国株の調整や、ドルの一段安もありうるという。
為替市場では、6月に入って急騰している中国の短期金利を懸念する声が聞かれた。
中国の短期金融市場では6月上旬に短期金利が急上昇。週明けにかけていったん低下したものの、金利は再上昇、もしくは高止まっている。一方、中国人民銀行(中央銀行)は18日、公開市場操作で市場へ資金を供給することを見送った。
「日本のバブル期と同じで、全般にカネ不足に陥っているのではないか。企業セクターが抱える不良資産の資金手当ても厳しい状況だろう」(外銀)という。
ベンチマークとなる期間7日の債券レポ金利は6月7日に一時12%まで上昇し、14日にも一時10%に達した。現在は8.050%と前日比で1.23%ポイント上昇している。
翌日物の債券レポ金利は6月7日に一時15%まで上昇、14日には高値11%から一気に3%まで急低下した。現在は7.650%で前日比1.95%ポイントの上昇した。
(森佳子)
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