●No.017



「音楽室からの心のつぶやき」
http://page.freett.com/biwahoshi/

吉田 正信さん

滋賀県五個荘町

 多くの人に音楽の力知らせたい
 「子どもたちにとって音楽とは」と自問したり、教師としての思いや悩みなどをつづる。「受験教科と違って、音楽の授業では子どもの本当の姿が現れ出る。普段明るい子が寂しい曲を好んだり、おとなしい子がすごく歌ったり」と話す。
 吉田さんが音楽に出会ったのは小学校の時。中学時代はブラスバンド部に入り、大学卒業後は教員を務めながら、アマチュアミュージシャンとして活躍してきた。現在も音楽活動を続けながら、滋賀県五個荘町の実家のお寺の住職、安土中学の教諭の2役をこなしている。
 「音楽の教師は中小規模校ならだいたい1人しかいない。校外で研修会があっても多忙で行けず、世界が狭くなりがち。他の学校の音楽の先生と交流もしたかったし、一般の人とのコミュニケーションも図りたかった」。長年パソコン通信に親しんできたことからメールマガジンに注目。1999年から配信を始めた。
 吉田さんの授業はユニークさで知られている。「上手に歌おうとは指導しない。子どもたちが音楽に興味を持ち、自ら歌や音楽を表現しようとするのをサポートするだけ。音楽を楽しみ、味わい、表現する仕方の基礎基本を教えています」。授業ではクラシックからポップスまで幅広く取り上げている。
 「音楽は癒やし」という。約10年前、精神的に落ち込んだ時、救ってくれたのが音楽だった。「病気で音楽も雑音にしか聞こえなくなったが、生活そのものが音楽と気づいて立ち直ることができた。こうした音楽の力をネットを通して多くの人に知らせ、つながっていきたい」と話す。

2003.5.27

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