名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(48)が18日、新たなストライカー育成に本格着手した。飛騨キャンプ8日目の実戦形式練習で主力組に2年目のMF田鍋陵太(20)を抜てき。マンツーマン指導を施した。得点力不足を解消するため、若手スピードスターの成長を促している。
新戦力の発掘なくして逆襲はありえない。爆発的な得点力を取り戻すべく、ピクシーがキーマンの1人に田鍋を指名した。16日のFC岐阜との練習試合では前線左サイドにヤキモフスキーを配したが、18日の練習では田鍋を起用。今季Jリーグでの出場時間はわずか27分。思い切った抜てきだ。
練習中はたびたび田鍋に駆け寄り、身ぶり手ぶりでアドバイスを施した。「足元でパスを受けようとするだけじゃなく、闘莉王や増川からのロングパスで裏へ抜け出すイメージを持て」。50メートルを5秒8で駆ける俊足を生かせと熱く語りかけた。
田鍋は「主力組に入るということは自分にとって大きなチャンス。期待してもらっていると感じる」と武者震い。先輩の闘莉王や田中隼からは攻守の切り替えを早くするよう苦言を呈される場面もあったが、「言われなくなったら終わり。ありがたい」と前向きだ。
キャンプ最終日(20日)に行われる岐阜経済大との練習試合で、田鍋がスタメン起用される可能性は大きい。売り出し中の田中輝に続いて田鍋が一皮むければ、ピクシーの思い描く分厚い攻撃陣が完成に近づく。 (木村尚公)
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