原発発言:高市氏「しゃべり方が下手」と釈明
毎日新聞 2013年06月18日 21時28分(最終更新 06月18日 23時29分)
自民党の高市早苗政調会長が、原発の再稼働をめぐり「福島第1原発事故で死亡者は出ていない」と講演で発言したことが波紋を広げている。高市氏は18日、記者団に「まったく趣旨が取り違えられて報道された」「もし誤解されたとしたら、しゃべり方が下手だった」と釈明したが、野党は一斉に批判の声を上げた。
高市氏は17日、神戸市で講演し、原発の再稼働に絡んで「福島第1原発で事故が起きたが、死亡者が出ている状況ではない。安全性を確保しながら活用するしかない」と発言した。
しかし、この発言に批判が広がり、高市氏は18日、記者団に「被ばくで亡くなった方はいないが、安全を確保しなければならないと伝えたかった」と釈明。菅義偉官房長官は記者会見で「(発言の)前後を見ると、問題発言ではなかった。現に死亡者がなかったのは事実だ」と擁護した。
民主党の細野豪志幹事長は記者団に「福島県内の震災関連死と認定された人の多くが、避難所生活など原発事故が原因だった。この重さを理解できない人は政権を担う資格がない」と批判した。
みんなの党の江田憲司幹事長は「認識の薄さが甚だしい。政治家失格だ」。新党改革の荒井広幸幹事長は「事故で死亡者が出ていないという認識が事実誤認の代表的なものだ」と述べた。【木下訓明】