Updated: Tokyo  2013/06/19 04:44  |  New York  2013/06/18 15:44  |  London  2013/06/18 20:44
 

債券は上昇、20年債入札順調で買い-FOMCまで動きにくいとの声も

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  6月18日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。きょうの20年債入札が順調となったことが買い手掛かりとなった。半面、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めるまで動きにくいとの声も聞かれた。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比8銭安の142円63銭で開始し、142円62銭まで下落。しかし、その後は買いが優勢になり、上昇に転じた。午後は水準を切り上げ、一時は143円08銭と日中取引ベースで13日以来の143円台乗せとなり、結局は24銭高の142円95銭で引けた。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.845%で開始後、徐々に水準を切り下げ、午後に入ると0.815%まで低下。3時すぎから0.82%で取引された。5年物の112回債利回りは0.5bp低い0.32%。20年物の143回債利回りは1bp低い1.675%まで低下した後、1.68%で推移した。

三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、「20年債入札は想定範囲内、市場が落ち着いてそこそこ順調な結果」だったと指摘。その上で、今後の展開については、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言次第ではあるものの、「国内金利はFOMC(米連邦公開市場委員会)後に低下方向もしくは安定推移しそう」と話した。

20年債入札

財務省がこの日実施した表面利率1.7%の20年国債(145回債)の入札結果によると最低落札価格は100円10銭と市場予想と一致。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は10銭と前回の21銭から縮小。投資家需要の強さを示す応札倍率は4.23倍と昨年9月以来の高水準となった。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、20年債入札について「強めの数字かなという印象だ」と分析。ただ、落札を見てみるとどちらかというと取引業者主体のような感じだとし、「実需がどれほどあるのかは今後見極める必要がある」とも話した。

18、19日開催の米FOMCでは経済・物価見通しが議論されるほか、終了後にバーナンキFRB議長が記者会見に臨む。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙がFOMCは次回会合で量的緩和の縮小を示唆する一方で、追加措置は経済情勢次第だと述べることでバランスを取る可能性が高いと報じたことで、17日の米国債が下げ幅を拡大する場面があった。

大崎氏は、20年債入札結果を受けて「それほど方向感が出るという感じでもない」と言い、「FOMCまで動きづらい地合いが続く」と話した。

一方、三井住友アセットの浜崎氏は、FOMC後の展開について、FRB議長の発言に波乱がなければ、米市場は株高・金利安定としながらも、近い将来にQE縮小をにおわすと、5月の議会証言後のように株安・金利上昇で反応する可能性があると予想。ただ、最近発表された指標から早期縮小は時期尚早との見方もあり、「米長期金利はいったん上昇しても、その後は株安を通じて買われる公算がある」と言う。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/06/18 16:03 JST

 
 
 
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