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漁業6次産業化へ一歩 カタール援助、いけす建設へ 気仙沼
 | カタールからの支援でいけす施設が建設される元民宿の敷地 |
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中東のカタールの援助で、宮城県気仙沼市唐桑町に大型のいけすが入る施設を建設し、地元漁師が生産から販売までを手掛けるプロジェクトが行われることが決まった。漁師を中心に組合をつくり、魚を直接仕入れて飲食店などに出荷することで、沿岸漁業の6次産業化を目指す。いけす施設は本年度内の完成を目指す。
事業主体は日本国際民間協力会(NICCO、京都市)。カタールの震災支援金で設立された「カタールフレンド基金」に応募し、採択された。事業費は約1億6000万円。 いけす施設は唐桑町小田の高台にある元民宿の敷地内に建設される。地元漁師や鮮魚店、魚卸、全国の料理人団体などが参加して今秋に有限責任事業組合を設立して運営に当たる。 約230平方メートルの木造平屋で、活魚が入る大型のいけすのほか加工室、事務室を設ける。いけすでは、約200メートル離れた海からポンプでくみ上げた海水を循環させる。 事業組合は魚市場に水揚げできない少量のアイナメ、カレイなどの魚を買い取って、首都圏のレストラン、小料理屋などへ販売。これまで自家消費用だった魚を販売することで、地元漁師の収入向上、雇用機会の創出につなげる。スローフード団体などの支援も得ながら、地域に伝わる魚料理を商品化して販路を開拓する計画もある。 国際民間協力会の吉田真由美東北事務所長は「海が荒れているときでも魚を供給できるいけすの長所を活用して、事業を展開したい。漁師が漁に生きがいを感じ、浜に活力を戻すことが狙い」と話した。
2013年06月18日火曜日
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