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鶴ケ城「御三階」復元へ再始動

 会津若松市の鶴ケ城本丸にあった建物「御三階(おさんがい)」の復元計画が動きだす。17日までに市が移築先の管理者から調査の承諾を得た。来年度にも詳細調査に着手する。大河ドラマ「八重の桜」で注目される会津を代表する史跡に、新たな魅力が加わる。
 御三階は江戸時代に建てられたとみられる外観が3階、内部が4階の構造をした建物。藩主が密議などに使ったとされ、花見をしたという話が残るなどプライベートな空間だったことが推察される。戊辰戦争の砲火でも残り、唯一現存する鶴ケ城の遺構。その後、市内七日町の阿弥陀寺に移築された。
 国史跡の鶴ケ城(若松城)では昭和40年に天守閣再建、平成元年に茶室麟閣が移築復元されるなど、戊辰戦争前の景観に近づける取り組みが続いている。市は平成20年に御三階の復元計画を発表したが、管理者から建物の構造などを詳細調査する許可が得られず進まなかった。今年に入って管理者が代わり、調査を承諾した。
 実物は阿弥陀寺に残したまま、当時の構造などを忠実に再現し、本丸に建設する。その後、基本計画策定や文化庁の審査などを経て工事となるため、完成時期は未定。市担当者は「元の景観に一歩でも近づけ、さらに魅力的な鶴ケ城にしたい」と話している。
 平成27年は天守閣再建50周年に当たり、市は歴代藩侯のかぶとや貴重な書、絵を展示した天守閣1、2階スペースをリニューアルする。今年度は検討会を設置し、展示方法や展示内容について議論する。26年度に工事を行う予定。

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阿弥陀寺に移築されている御三階
阿弥陀寺に移築されている御三階

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