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「便利」でも「複雑」 帰還困難区域 特別通過交通始まる

 東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域の一般車両の特別通過交通が17日、始まった。初日から通勤・通院のため、同区域内の6号国道などを住民が移動した。
 楢葉町から、いわき市の仮設住宅に避難している主婦渡辺京子さん(55)は、南相馬市で暮らす両親の介護のため6号国道を往復した。以前は迂回(うかい)路を通るため片道4時間かかったが、半分に短縮されたという。渡辺さんは「便利になった。ただ、放射線量が高い場所なので複雑な気持ち」と語った。
 今回の特別通過交通の対象は避難区域が設定された12市町村の住民。通勤や通院、介護、墓参りなどの目的に限り市町村が通行証を発行する。17日現在、田村市2台、広野町20台、楢葉町80台、富岡町33台、川内村11台、大熊町3台、双葉町21台、飯舘村4台の計174台の通行証が発行されている。
 通行が認められるのは6号国道と、288号国道から大熊町内の町道などを経由して6号国道につながる計2ルート。時間は午前7時から午後7時まで。
 通行証の申請は各市町村で随時、受け付けている。南相馬市は7月1日に受け付けを始め、同10日から発行する予定だ。

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検問所で通行証を提示する利用者=17日午後3時40分ごろ、富岡町の富岡消防署北交差点
検問所で通行証を提示する利用者=17日午後3時40分ごろ、富岡町の富岡消防署北交差点

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