27年度末供用目指す 原町、楢葉のオフサイトセンター
県が原子力災害時の対応拠点として南相馬市原町区と楢葉町に整備するオフサイトセンターは、ともに平成27年度末の供用開始を目指す。17日、いわき市で開かれた楢葉町議会全員協議会で県が明らかにした。
オフサイトセンターの建設予定地は【地図】の通りで、南相馬市は原町区の萱浜ニュースポーツ広場内の県環境創造センター建設予定地に隣接する市有地、楢葉町はJヴィレッジ近くの楢葉南工業団地内の町有地。ともに敷地面積約1万平方メートルで、2階建て延べ床面積2800~3000平方メートルの施設となる。両予定地周辺の放射線量は毎時0.2~0.3マイクロシーベルトだという。
県は市と町から用地を取得後、施設を整備し国に貸し出す。今年8月にも基本設計に着手し、来年3月までに実施設計、測量・地質調査を終える。26、27の両年度で施設を建設する方針。
南相馬市のセンターを東京電力福島第一原発、楢葉町を福島第二原発の対応に充てるが、一方の施設が機能しなくなった場合、残りの施設で対応する。
平常時は原子力防災専門官や原子力保安検査官ら規制庁職員が10人程度常駐し、福島第一、第二両原発の状況を把握する。非常時には県や地元自治体、警察、消防などの担当者が加わり1日当たり最大150人が詰める。
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で大熊町のオフサイトセンターが機能不全に陥った教訓を踏まえ、新施設には空気浄化フィルターを備えた放射能遮断機能を備える。電源車が接続可能な配電盤なども完備する。衛星回線などを取り入れ、通信機能の多重化を図る。仮眠スペースを確保し、約1週間分の水や食料品などを備蓄する。
オフサイトセンターは、原子力災害対策特措法で設置範囲を原発から20キロ未満としていた。しかし、東京電力福島第一原発事故を受け、文部科学省と経済産業省は昨年9月、設置範囲を原発から5~30キロ未満に省令で改めた。
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