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福島への思い語る 詩人シュテゲルさん招きトークと朗読

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福島への思いなどを語った(左から)管さん、和合さん、シュテゲルさんら
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スロベニアの世界的な詩人アレッシュ・シュテゲルさんを招き、福島市在住の詩人・和合亮一さんをはじめ日本の詩人たちによるトークと朗読を楽しむ「夏至の祭り 福島2013」は15日、福島市のグランパークホテル・エクセル福島恵比寿で開かれた。うつくしまブランチの主催。
昨年、和合さんがスロベニアで行われたEU文化首都・詩祭「詩とワインの日々」に参加したことが縁で、ヨーロッパやアメリカでも広く知られるシュテゲルさんから、本県を訪れたいとの要望があったことから実現した。「星の王子さま」の翻訳で知られる詩人の管啓次郎さんも参加した。
シュテゲルさんは「福島は、温かい気持ちに満ちた人が多く、自分の家に帰ってきたよう」と本県の印象を語った。また、「ヨーロッパでは、日本と福島への偏見があるが、詩や文化には偏見を直す力がある。私が福島に来たことで、偏見に対する“除染”の力になるのではないかと思う」と来日した理由について触れた。
管さんは、「震災で言葉に関わってきた人間が何かできないかと考えた。電気が失われた暗闇で、ろうそくの光の届く範囲で詩を朗読し、その間に夜明けが訪れるような本を作りたかった」と震災後の取り組みについて話した。
和合さんは「スロベニアには憧れていた風景があり、詩祭では、私の朗読に対する観客の反応が素晴らしく、会場に広がるパフォーマンスは、朗読者だけでなく観客がつくり出すということを実感した。震災で苦しむ中で、久しぶりに純粋に楽しむことを知る貴重な経験になった」などと述べた。
(2013年6月17日 福島民友トピックス)
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