道農政連:「鉄の結束」農協票がTPPの荒波に…

毎日新聞 2013年06月18日 21時48分

 参院選北海道選挙区(改選数2)で初めて自民党公認候補を支援せず、自主投票を決めた北海道農協政治連盟(道農政連)。18日の会合に先立ち、札幌市内であった「全道農協組合長会議」では、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉参加を進める自民党への不満の声が相次ぎ、道農政連の異例の最終決定を後押しした。かつて道内最大の「自民集票マシン」と呼ばれ、「鉄の結束」を誇った農協票が、TPPの荒波にのまれるかのように漂い始めた。【鈴木梢、円谷美晶、高橋克哉】

 「農政も大事だが、それ以上にTPPが心配だということだ」

 道農政連の役員会後、報道陣に囲まれた飛田稔章会長(JA北海道中央会会長)は、終始こわばった表情で答えた。

 農協組合長の会議で飛田会長は「持続可能な北海道農業をどう組み立てるか、これも大事にしないといけない」と話し、最後まで自民党候補への配慮をにじませた。

 しかし、宗谷地方の組合長は昨年12月の衆院選で自民党を支援した理由を「TPPに反対していたためだ」とし、「TPPを進める政党を支援すれば、組合員に説明がつかない」と反論。釧路地方の組合長は「筋を曲げるな」と強い口調で批判し、会場から大きな拍手がわいた。

 その後の道農政連の会合では、自主投票を求める声が多数を占めたという。道農政連役員の組合長は「飛田会長は今後の自民党との付き合いを考え、推薦を出したかったはずだ。しかし、割れんばかりの(反対の)拍手を聞いて決断を固めたのではないか」と推し量る。

 自民党道連も5月、TPP交渉で重要5品目などの「聖域」を守れない場合は「交渉脱退も辞さない」とする特別決議を採択し、農協側への配慮も見せてきた。今月23日には自民党公認の立候補予定者を応援するため、林芳正農相が北海道入りする。道連は林農相と道農政連幹部を引き合わせる予定で、「農相との意見交換後、推薦か支持かの態度表明があると思う」(伊東良孝道連会長)との楽観論も広がっていた。

 「想定外」の結末に、柿木克弘道連幹事長は「誠意を持って臨んできたが残念。自主投票なので一つでも多くの地域から支持されるよう、これまでの主張を貫いていきたい」と平静さを装った。

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