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【ゴルフ】

ジャスティン・ローズが初優勝

2013年6月18日 紙面から

最終ラウンドでホールアウトし、同組のルーク・ドナルド(右)と握手を交わすジャスティン・ローズ。通算1オーバーでメジャー初優勝を果たした=メリオンGC(ゲッティ=共同)

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◇全米オープン<最終日>

 ▽16日、米ペンシルベニア州アードモア・メリオンGC(6996ヤード、パー70)▽曇り、気温14〜26度、弱風▽賞金総額800万ドル、優勝144万ドル▽73選手(うちアマ3人)

 【アードモア(米ペンシルベニア州)テッド・ムース】前日5位だった32歳のジャスティン・ローズ(英国)が70で回り、通算1オーバーでメジャー初優勝。賞金144万ドル(約1億3500万円)を獲得した。フィル・ミケルソン(米国)とジェーソン・デー(オーストラリア)が2打差の2位。5年ぶりのメジャー制覇を狙ったタイガー・ウッズ(米国)は通算13オーバーで32位に終わった。39位で出た初出場の松山英樹(21)=東北福祉大=は10位に入った。

 大会最後の72ホール目、18番の3打目。グリーン奥からフェアウエーウッドでパターのように転がし、ピン左5センチにつけると、ローズの目がうるんだ。そして、最後のパットを決めると、人さし指を口に当て、天を指した。この時点ではまだ最終組がプレー中で、優勝は決まっていなかったが、感情は抑えられない。「この勝利を天国の父にささげたい」。毎年父の日に最終日が行われる全米オープンを、最も勝ちたいと願っていた男が勝った瞬間だった。

 17歳のアマチュアだった1998年の全英オープンで4位に入り、タイガー・ウッズを追いかける英国の星と期待された。直後にプロ転向。だが、その後は順風満帆とはいかなかった。初優勝は4年後の2002年ダンヒル選手権(欧州ツアー)。同年の中日クラウンズでも勝ったが、世界の大舞台では結果が出なかった。そして同年秋、父を亡くした。幼いころにグリップから教えてくれ、学校が終わると練習場まで送り迎えしてくれたゴルフの師だ。このとき「必ず世界のトップに」と誓った。

 03年から本格的に米ツアーに参戦。とりたてて飛距離の出るタイプではないが、大きな穴のない堅実なプレーで着実に力を伸ばした。07年に欧州ツアー賞金王、米ツアーでは3年前にようやく初優勝を挙げた。

 3日目のプレーが終わった後、母に「明日は父のためにプレーする」とメールを送った。最終日はホールアウト後、夫人と手をつないでテレビモニターの前で待機し、優勝が決まると歓喜の声を上げた。「幼いころからの夢がかなったよ!」。大会通じて全体2位、75%のフェアウエーキープ率で難コースを攻略した。天才と呼ばれてから15年。少年は2児の父になっていた。

 

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