最終ラウンド、11番でバーディーを奪い、ガッツポーズの松山英樹=メリオンGCで(共同)
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全米オープン<最終日>
▽16日、米ペンシルベニア州アードモア・メリオンGC(6996ヤード、パー70)▽曇り、気温14〜26度、弱風▽賞金総額800万ドル、優勝144万ドル▽73選手(うちアマ3人)
【アードモア(米ペンシルベニア州)テッド・ムース】松山英樹(21)=東北福祉大=が6バーディー(3ボギー)の猛攻で、今大会最少スコアに並ぶ67で回り、通算7オーバー、10位タイに入った。これにより、来年の大会の出場権を獲得した。世界最高峰とされる全米オープンで初出場でのトップ10入りは日本人初。次戦は国内メジャー第2戦、日本ゴルフツアー選手権(20〜23日、茨城・宍戸ヒルズ)で、米ツアーから一時帰国して参戦する石川遼(21)=カシオ=と、プロとして初めて同じ舞台で対決する。優勝は通算1オーバーのジャスティン・ローズ(32)=英国=で、メジャー初制覇。
日本からやってきた21歳のルーキーが、世界の強豪の10番目に名前を連ねた。ショットは初日から好調で、この日もラフやバンカーに入ったのは2度だけ。しかも、前日不調だったパットが一転、強気に攻めてどんどん入る。優勝争いから離れた39位からスタートしたが、ホールを重ねるごとに「ヒデキ!」と声をかける地元ギャラリーが増えた。プレー後は「このゴルフを続ければ、(メジャーで)優勝争いに絡める」と明るく言い切った。
初出場でのベスト10入りに色めき立つ報道陣を前にして「プレッシャーのない中で、いいスコアを出せた。もう少し後ろ(上位)の組に入って同じようなプレーができるかと言われたら微妙」と、正直に答えた。だが、この10位で世界ランクは大会前の64位から49位に大きくジャンプアップ。世界のトッププロだけが招待されるマスターズの出場資格が同50位以内であることを考えれば、すでにその仲間に入ったといえる。
世界最高峰に立ったローズとの差は6打。これから1年間、この差を縮める旅になる。次の海外メジャーは全英オープン(7月18〜21日)。そして、その前に日本ゴルフツアー選手権で、プロになって初めて同年齢のライバル石川と対決する。くしくも石川は、4月のマスターズ最終日に6バーディーを奪っている。まずは目の前のライバルに、「プロ・松山」の力を見せつける。
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