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【政治】

「新しい人権」明記で隔たり 参院憲法審査会

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 参院憲法審査会は十二日、環境権やプライバシー権など「新しい人権」について議論した。自民、公明、生活、日本維新の会、新党改革の五党が憲法に書き加えるべきだと主張。民主、共産など四党は反対し、見解の隔たりが鮮明になった。 (上野実輝彦)

 自民党は昨年公表した党改憲草案を引き合いに、個人情報の不当取得を禁じたプライバシー権のほか、知る権利、環境権、犯罪被害者の権利、知的財産権を書き込むべきだと主張。「規定を設けることで、国民の権利保障はより強固になる」と説明した。

 公明党も、国と国民が環境保全に取り組むよう定める環境権の必要性を強調。生活、維新、改革は自民党とほぼ同意見だった。

 これに対して民主党は「現行憲法制定時に想定していなかった新たな権利や利益が生まれており、権利の確立が求められている」と認めつつ、環境権やプライバシー権、知る権利は「憲法で事細かく規定できない」と指摘。法整備で対応すべきだと主張した。

 共産党やみどりの風、社民党も、新しい人権を書かなくても、現行憲法を解釈すれば保障されているといえるなどとして「書く必要がない」との認識を示した。みんなの党は態度を明確にせず「今後さらに議論を深めねばならない」と述べるにとどめた。

 「新しい人権」の新設は、戦争放棄と戦力不保持を定めた九条改憲などより意見集約しやすいとされるが、賛成した五党の参院(定数二四二)の所属議員は計百十五人。改憲の発議に必要な三分の二(百六十二議席)どころか過半数にも満たず、合意形成の難しさをあらためて浮き彫りにした。審査会は、この日で今国会での審議を終えた。

 

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