名古屋グランパスが22日に豊田スタジアムで開催するクラブ初の説明会で、ファン・サポーターに向け集客協力の要請をすることになった。この説明会では苦戦が続くこれまでの事業面での反省と今後に向けた取り組みを福島義広副社長(62)が説明するとともに、8月10日のホーム浦和戦で収容人員4万人の豊田スタジアムを満員にするキャンペーンの実施を発表する。
グランパス初の試みとして告知され、ファン・サポーターの間で日に日に関心が高まっている22日の説明会。公式サイトの告知で触れられなかった主な内容は、8月10日の浦和戦に向けた豊田スタジアム満員作戦の協力要請だった。優勝した2010年から年々減少している観客動員など事業面での反省は語られるが、14位と低迷するチームの強化策などについてはテーマとしない予定。久米GMも欠席する。
期待される質疑応答の時間も、若干となるもようだ。福島副社長は「クラブの状況を総括、反省しつつ、再開以後力を貸してくださいとお願いする。他のクラブでやっているようなイメージとは違う」と説明した。
たしかに8月10日の浦和戦は今季最も集客が見込める時期とカードだ。だが、5連敗中のチームにとって、最大の後押しが必要なのはリーグ再開となる7月6日の清水戦にほかならなない。MF小川も「勝てばチームが変わったことを印象づけられる。逆にもし負ければ6連敗。中断前の悪い流れを思い出してしまう」と最重要視していた。1カ月先の集客に目を向けていては、フロントと現場との間にズレがあるように見えてしまう。
これについて福島副社長は「当然7月6日に向けた話もするし、リスタートを軽視してはいない。ただ観客動員のレコードに挑戦するために、計画的かつ効果的な活動をやっていこうとすると、このタイミングでの発表になる」と強調した。
昨年は8月18日のG大阪戦でサポーター主導の満員作戦が展開された。今回はこれに応えたいというクラブの思いが形になったものだ。「こういう状況だからこそサポーターに飛び込んでいく。目標を決めて、一緒に未体験ゾーンに挑戦したい」と福島副社長。その姿勢は本当に素晴らしい。動員記録が起爆剤となる可能性もある。ただ、成績・事業の両面で低迷の本質を見極めたクラブ改革の説明もあれば、本当に意味のある会となるはずだ。 (宮崎厚志)
◆古川、キャンプ休日
飛騨古川キャンプは7日目となった17日は、チームは完全オフを取った。前日にストイコビッチ監督が「ここまで選手は真剣にトレーニングに取り組んでいますし、しっかりと休み、また18日からの2部練習に備えて欲しい」と語っていた通り、選手たちは世界遺産の白川郷などを観光するなど、心身ともにリフレッシュ。キャンプは残り3日間で20日の岐阜経済大との練習試合で打ち上げる。
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