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土曜コラム けいざい道標
おひとりさま消費 加渡いづみ   2012/7/28 10:21
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 先月発表された今年の上半期ヒット商品番付の前頭に、「一人カラオケ」がランクインした。ターゲットは主に男性の一人客で、専用ルームや専用店舗を設置した結果、集客数が好調に伸びたという。ついにカラオケまで、一人で楽しむ時代になったようだ。

 「おひとりさまの老後」という本が話題になったのは5年前。当時は少し違和感を持った「おひとりさま」という言葉も、今ではすっかり定着した感がある。平成24年版「子ども・子育て白書」によれば、「生涯未婚率」は男性で20・1%、女性で10・6%に上る。つまり、男性は5人に1人、女性は10人に1人が、「おひとりさま」で50歳を迎える現状にある。

 もちろん、結婚をしないという選択は、本人のライフスタイルと価値観の自由であり、他人が批評する問題ではない。また「おひとりさま」は未婚既婚にかかわらず、ツレを求めない、他人と群れないというスタイル全般を含むものである。

 そこで注目すべきは、今後も増え続けるであろう「おひとりさま」の消費活動が、社会に与える影響だ。かつて「独身貴族」と呼ばれた人たちは、幅広い分野に対して購買意欲が強く、自由でぜいたくな生活スタイルの象徴的存在だった。ところが現在の「おひとりさま」のライフスタイルはそれとは少し違うらしい。というのも個人差が大きく、全体の特徴をつかみにくいだけに、事業者側から見ればマーケティングのターゲットにしづらいという訳だ。

 例えば知的好奇心が旺盛で、知識や教養を高めるためには積極的に出費するが、行動は独りで完結させる傾向が強い。インドア志向でパソコンの利用時間が長く、仲間を作ろうとする意識は薄い。あくまでも「独りで満足」することが優先されると分析されている。事業者は、こういった「おひとりさま」のお財布にアプローチし、そのライフスタイルから支持される商品・サービスを提供することを求められてくる。

 5月にこのコラムで取り上げた、お金と時間に余裕がある「金時持ち」世代に加えて、「おひとりさま」消費の行方が、閉塞(へいそく)した現在の経済状況を打破する鍵になるのではないだろうか。(四国大学短期大学部講師)

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