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子育て心理学:第2部 9)「人生脚本」の完成

 
2009/11/28(Sat) Category : 心理学
子育て心理学
第2部-人は「どのように」育っていくのか?(人生脚本編)

■9)「人生脚本」の完成-果たしてBちゃんの脚本は?

振り返ってみましょう。
生まれてまもなく、自分は受け入れられていないと感じ、自己防衛のために自分を出さないように「内向」し、自分を責める「I’m not OK.」の立場から人生をスタートさせたBちゃん。

物心つく頃には、「自分は感受性に乏しい」「鈍感だ」「人が苦手だ」「嫌われ者だ」「自己表現が下手だ」などと思うようになり、さらに親の対応によってその自己イメージが強化され、「何をやってもダメだ」という自己イメージまで付け加わっています。

Bちゃんは、この自己イメージを基に、自分がこの先どのように人生を歩いていくのかという「人生脚本」を創ることになります。それが、おおむね10歳前後。小学校4年~6年にかけての頃です。Bちゃんの脚本を推測してみましょう。



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①Bちゃんには、ありのままの自分は親から愛されないという、自分についての根源的な不安(存在不安)があります。
②そして、この世は自分を傷つけるところではないかという社会的不信があります。
③お父さんからは、「努力せよ(でなければ認めない)」というドライバーがインプットされています。
④でも、「何をやってもダメ」という自己イメージができあがっています

すると、ドライバーに駆り立てられてそわそわと心が落ち着かず何かをするのですが、社会に信頼なく、自分に自信なく、何をやっても失敗します。そして、「どうして自分は落ち着きがないんだろう?」「何をやってもダメなんだろう?」と悩む人生を送ることになります。

表層意識で悩む背景に、親から植え付けられたドライバーや禁止令の支配があることがわかりますね。IP(インナーペアレンツ)に操られて生きているわけです。



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…もう少し深めてみましょう。

お母さんは、Bちゃんが生まれたときからBちゃんに八つ当たりして叩いたり、「おまえが、もっと積極的ならいいのにねぇ」と愚痴ったりしていましたね。そして、普段から文句や愚痴の多いお母さんで、Bちゃんの気持ちを受け止めることはしなかったとします。

ここでBちゃんの深層心理の側に立ってみましょう。
Bちゃんは、“お母さんが私を認知する”のは怒ったり、愚痴を言ったりするときだけということに気づきます。そこから、Bちゃんの深層心理は、「お母さんは怒りをはき出さないと生きていけない、子どもを受け止める余裕のない自分で一杯一杯の人なんだ」とお母さんのことを見ています。

どんな子どもも、母親に幸せになってほしいと願っています。なぜなら、自分の安全基地の本体だからです。そこが不安定であれば自分の人生どころではありません。ですから、安全基地の安定のために自分はどうしたらいいのかを無意識に考えています。同時に、そのお母さんに自分のことを認めてほしいと切望しています。そこで、「私がお母さんの受け皿となる」ことで、お母さんに認めてもらおうとするのです。

さらにお母さんからBちゃんが受けるメッセージは、自己否定であり、社会否定です。それは、「自信を持つな」「社会とつながるな」という禁止令です。それらの禁止令がトータルで言っていることは、「自律するな」「母親から離れるな」ということです。その禁止令を破ると、「お母さんは私を認めてくれない」という罰が待っています。ですから、お母さんに認めてほしいBちゃんは、この禁止令を破ることはできません。

ここに親子2つのベクトルがそろいましたね。
母→子:「自律するな」という欲求(禁止令)
子→母:「私がお母さんの受け皿となる」ことでの承認欲求

この結果Bちゃん(の深層心理)は、「自律せずにお母さんのそばに居続けてお母さんの愚痴を聞き続ける」という人生脚本を創るのです。




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そんな馬鹿な?!

…と、思いますよね。こんな暗い縛られた人生なんて誰だって嫌ですからね。だから、表層意識では「なぜ?私は…」と悩むんです。

でも、ここで人生脚本の第一原則を思い出してください。
「人生脚本とは、親に愛されたい(認めてほしい、触れ合いたい)ために創る人生のシナリオ」なのです。

親から生まれて、その親から愛されたくない子どもはいません。この世に自分を生み出してくれた親に愛されたい、認めてほしいのです。
自分が死ぬ時を想像してみてください。一度も親に優しくされないままに死にたくはないのです。親のそばに居続ければ、もしかすると優しくされるチャンスが巡ってくるかも知れません―その可能性を託して、子どもは望みを捨てることができません。

だから子どもは、親を自分につなぎ止めるために親の無意識の願望に添って生きようとするのです。




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以上からわかるように、Bちゃんの生きづらさを解消するには、親から植え付けられたドライバーや禁止令(←さらに親をも取り巻く“常識”やその家系で世代間連鎖している価値観など、これらを総称してインナーペアレンツ(IP)と私は呼んでいます)に気づき、それらから解放されることが必要ですが、それだけでは十分ではないのです。

たとえば、「何をやってもダメ」という自己イメージ。
一見インナーペアレンツ(IP)にがんじがらめになっているために、身動きが取れず「何をやってもダメ」な結果になっているように思えます。もちろん半分はその通りです。

しかし、もう一つの側面があります。
それは、何かできてしまうと自律に向かうことになり、自律すれば母親から愛情をもらうチャンスを失ってしまうことになります。ですから、「何をやってもダメ」の真実は、「何かできてはダメ」―これこそが、自ら創った人生脚本なのです。自分の脚本が自分の足を引っ張っていたわけですね。



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つまりこうなります。
・表層意識 「なぜ、私はこうなんだろう?」

・深層心理第1層 「何をやってもダメ」
 IP(ドライバー+禁止令)+自己イメージ+学習性無力症など

・深層心理第2層 「何かできてはダメ」
 人生脚本

IPを退治して自分を取り戻しても、この脚本に気づかなければ、いつしかまた気づかぬうちにIPは復活しています。上記の通り、IPと脚本はとても相性がいいからです。
最後の敵は「自分」なのです。






★人生脚本
★存在不安
★承認欲求

 
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人生脚本を見つけました!!

この記事の読みながら自分に置き換えてメモっていたのですが、自分の人生脚本を見つけました!!

うちの父母兄は誰かを馬鹿にしたり嘲笑したり上から目線でしゃべったりしてないと自分を保てない人でした。そしてうんちくや馬鹿にする相手として私を認めていました。
そこで私は「人が見下しやすい人間である」ことにしました。

父は過剰労働で私が小4から中3くらいまで精神的にかなりまいっていてそれを感じ取っていた私は「父親の安全基地をつくらなければならない」と思っており「自分を殺して相手に心地いい安全基地を提供する」ことにしました。

母は不安定な人でした。
いつも不安から大量な仕事を抱え込みそれに追われていて混乱していて自分のことでいっぱいいっぱいで私のことなんてみちゃいませんでした。私は母に安全基地になってほしかったし見てほしかったので「母の問題を私が解決してしまう」ことにしました。

家族の心のコップはパンパンでした。また自尊心が低いので褒め言葉や自慢話、うんちく披露、他者の批評をしてくてたまらなかった。そしてそれを聞いてくれる相手を欲していた。私は「話始めたら必ず聞く、相手が気持よく話せるように相手が望む相槌や返答をする」ことにしました


スッキリしました。


なんで自分がいつもどこにいっても見下されたり馬鹿にされることが多いのか。
うんちく好き自慢話好き批評好きで人の話は聞かない人の話を延々と聞くシュチュエーションになることが多いのか。
自分にはマイナスになっても相手の快適を優先してしまうのか。
人や組織内の問題を見つけると自分の体を壊してでもその問題を軽くしよう軽くしようとしてしまうのか。
キャッチセールス、勧誘、お店の販売員の人などに対して話を聞くことをしない、断るということができないのか、また自分的には言いたくない、望んでいないのに相手が望んでいる返事ばかりをしてしまうのか。


人生脚本影響すさまじい。

そして自分が家族の緩衝材になっていたことがよくわかってすごいなとも、なんて健気なとも思いました。

こんな脚本は捨てます。
そしてどんなに緩衝材になっても実家は結局安全基地にはなりえなかったので自分で探すなり作るなりしなくてはいけませんね。

 

No Title

私の母は、手仕事も器用で、テキパキと動く人でした。しかも、徹底的に片付けることに、執念すらありました。
母の動きは、ダンプカーのように、勢いと怒りで、ガンガン始まるのです。
家事を 邪魔されたくない、自分の予定通りに一日やりこなしたい母は、幼い私が、動くとイライラして、怒鳴りました。

母の怒鳴る意味は、
寝ていろ!
余計なことをするな!
動くな、仕事を増やすな!
だった。

当然、私に構うはずもなく、何にもない空っぽの一日が終わり、また寝る日々。
私は、自分が、何も知らない、出来ない人になりそうで、不安でした。

蔑んだ目の母の視線から、私は、可愛がられな
いほど醜い容姿なんだと、人に顔を見られるのが苦しかった。

大人になって、ずっと自分の事が、理解できず悩んできたのは、
努力の結果が出た後、褒められた後、そこに居られなくなるほどの失敗を しちゃうのは何故?
或いは、成果を出しても、全く目立たなく、透明みたいに誰も知らないのは何故?
ここぞという時に、朝寝坊してしまうのは・・・・。
やりたくてあんなに頑張っていたのに、なんで?

私は自分を幸せにできる力が無いと、自分が怖いと、何度泣いただろう・・・・・・。

幼い頃の、寝ていろ、何もするな、の禁止が、いまだにあって、
母に愛されたくて、自分が決めた生き方だったとは、知らなかった。

小さい頃、張り裂けそうな胸で、辛くて悲しいのを 隠して笑っていた。
あの切なさを 昔のことだと過去にして、今だけを積んで行こうとしても、上手くやろうとしても無理なんだ・・・・。
小さい頃、あんな辛い気持ちでいたことは、明日の仕事や、片付けより、一大事で大変なことなんだ。



 
    
 
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