June 17, 2013
火星表面に広がる巨大な砂丘。NASAの火星探査機マーズ・リコナイサンス・オービタ(MRO)搭載の高解像度カメラHiRISEが、斜面に平行に走る何本もの溝をとらえた。10年ほど前からその存在が知られていたが、最新の研究により、溝の形成過程が解明された。長さおよそ2.5キロに達する深い溝は、初春に形成される。冬の間、この辺りには二酸化炭素の雪が降り、何層にも積み重なったドライアイスが砂丘を覆う。
火星表面に広がる巨大な砂丘。NASAの火星探査機マーズ・リコナイサンス・オービタ(MRO)搭載の高解像度カメラHiRISEが、斜面に平行に走る何本もの溝をとらえた。10年ほど前からその存在が知られていたが、最新の研究により、溝の形成過程が解明された。長さおよそ2.5キロに達する深い溝は、初春に形成される。冬の間、この辺りには二酸化炭素の雪が降り、何層にも積み重なったドライアイスが砂丘を覆う。
季節が変わり温度が上昇すると、ドライアイスは砕け、溶け始める。砂丘の尾根付近にある塊が斜面を転がり落ちる際に、ドライアイスが昇華(固体が直接気化)して生まれたガスがクッションの役割を果たし、まるでホバークラフトのように滑り降りていく。後には直線的な溝が残るというわけである。
Image courtesy U. Arizona/Caltech/NASA