アーサー: いよいよストレンジ・ジャーニー調査隊のミッションは、今回で最後になります。
それでは、最後のミッション「メガテンの深層に潜入せよ」を発令します。
もちろん、今回のミッションもワタシが自ら調査を行います。

アーサー: 現在までの2つのミッションで「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」に関する情報量はかなり増加しましたが、まだ多少の不足があるため作品の内容に関しては不確実な予想しかできない状態です。
そこで、当然ストレンジ・ジャーニーを含みつつ、メガテン全体に関する情報を収集したいと思います。
ストレンジ・ジャーニーは、真・女神転生というタイトルがつけられているメガテンシリーズの最新作ですが、メガテンシリーズとして認証されるために絶対守るべきポイントを、「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」のプロデューサーである金子さんから報告してください。
金 子 : システムの真髄は、悪魔交渉、悪魔合体っていうのがあるんで、それをいかに楽しんでもらうかってことだよね。
だから、もの凄く今回やってくれたな、と思っていて。凄いテンポのいいものに仕上がってて、完全に中毒だよね。
プラス今回は悪魔交換があるから、これが凄く楽しくて。
全体のムードとかは、ロールプレイングなんで話の舞台っていうのが重要になってきて、具体的には話を作るって言うよりは、プレイヤーの人たちがそこに置いてある一つ一つの門をくぐってもらう門を作るだけなんですよね、僕らとしては。
アーサー: もう少し正確な表現で正しい認識を共有できるようにしてください。
金 子 : わかりやすい例としては、前々回のミッションの時も言いましたけど、こんな世の中ぶっ壊してやりてぇみたいなところがまず基本にあって。でももし自分がそうなった場合、生きていくにはやっぱ人が必要だよね、友達もいなきゃ、仲間がいなきゃ。で、仲間とのまとまりかたってどうなのよっていう。カオスだのロウだのっていうのが出てくるんで、そこの考え方ですよね。
それがあって悪魔っていうのがいろいろ出てきて、物語を綴っていくわけですけど、結構悪魔自体が人間をモチーフに描いているところがあるじゃないですか。要するに悪魔って人の悪いところを全部背負ってるって言うか、置き換えられたもんであって。逆に人間がずうずうしく、今年も豊作になりますようにとか、宝くじ当たりますようにとか、ずうずうしいお願いをするのは神様なんですよね。だからそこらへんで、すごく棲み分けされてて。
実は神様も悪魔も一括りに人間のずうずうしい欲求というか、そういうところから生まれてきてるんで、つまりそいつらが活躍するってのは、そのまま人間を描きやすいというか、描けるなと思ってるんですよね。
そこで、今僕らが描きたいって思っている人間のことを、そいつらになぞらえて出してるって感じですね。だから、悪魔だなんだって飛躍した話しですけど、非常に人間ドラマではあるかな、と。そういうのは意識して作ってますね。
アーサー: メガテンの根底には、人間というものをどこまで描き切れるのかという姿勢があるわけですね。
金 子 : ありますね。でもやっぱり人間ドラマって単純にやると面白くないじゃないですか。息子と親父がみたいな、ほんわかドラマってさ、つまんないじゃないですか。
そこが、怪獣が出てきたりいろんなモノが出てきたり、カッコイイ舞台じゃないと面白くないし、ハラハラドキドキしないと面白くないから。やっぱりシュバルツバースとか、南極に行ってとか、って感じにしてるんですよね。
それから、ゲームをやる理由の一つに、日常が退屈ってのがあるじゃないですか。でも、日常を面白くしちゃったら多分捕まっちゃうと思うんですよね。やっぱりある種我慢してるから、日常ってのはつまらない。
このつまらない日常を面白くしてあげりゃいいじゃんっていうところがあるんで、我々は非常に日常感のある舞台から始めてるんですよね。まるで違う舞台から始まるのではなくて、この日常から面白い世界にどうシフトさせていくか、っていうのは凄いこだわってますね。それは今回南極って形なんですけど。
石 田 : 確かに、今回は東京っていう我々の見聞きしている日常からは始まらないですけど、結局は凄いところに凄い装備を持って行っても、かなわない状況があったりとか、普通の人間たちが右往左往する話しっていう意味では、やっぱり日常的視点かなって。
そんなに逸脱したところではなくて、結構自由がきかないというか、つまり現状生きている僕らと同じ足枷を持った人たちが右往左往している物語なんだなという感じがうまく出るように作るっていうのは大事なんだなと。
だから、テクノロジーで武装はしているけれどあれをとったら死んじゃうし、凄い能力で馬鹿でかい敵を倒しているけど確保した仲魔の力を使っているし。
やっぱり超人ではない生身の肉体を持った人間がテクノロジーで挑んでいるっていう視点は、独特な切り口じゃないのかなと思います。
前々回のミッションの時も金子さんが言っていたけど、一市民の村人が主人公であるみたいなのは、だから結構大事なのかなと。
今回は舞台は変えているけど、お約束はいつも通りになっていて、導入もスムーズだと思いますね。えっ!特殊部隊のエリート隊員!?って思う方がいると思うんですけど、遊んでみると全然そんなことなくて、いい感じになってると思うんですけど。
金 子 : 導入部としてレスポンス良くしたかったからね。ホントはどうやって隊員になるかってとこから始めたかったりもしたんですけど。
やっぱりすぐゲームやりたいってユーザーもいるので、もしディレクターズカットみたいなの、まあ出ないけど、映画で言えばディレクターズカットみたいなのがあったとすれば、隊員になるまでの話を入れたいぐらいですよね。メガテンとしては。
プレイヤーの皆さんが何で入隊したのってとこから始まって。まあ作らないですけどね。でも、最初からやったらやったで面倒臭いって言うんですよ(笑)
石 田 : 早く銃撃ちたいみたいな。
金 子 : そうそう、早く戦闘させろ、みたいなね。
でもやっぱり、それくらいそれぞれの人たちが日常から入って欲しい感じではありますよね。ゲームの中にナチュラルに入って欲しいというか。