アーサー: では、今回の舞台が数ある選択肢の中から南極に決定された判断理由を、もう少し明確にしてください。
ワタシが所有しているデータから推測すると、南極はその中立性や埋蔵資源の存在などから、様々な人間の欲望が渦巻く大陸という側面もあるため、舞台設定としては絶妙だったと考えられるのですが。
金 子 : そこ、今まさに言った通りの感じなんですよ。
これを読んでる方の年齢にもよると思うんですが、国際情勢に詳しくない人は南極ってただペンギンがいるところだと思っている人もいるんですけど、あそこはどこの国の領土でもないんですよね。
でもまさに資源を狙って、いざっていう時の勢力図もあるんで、調査って目的で各国の探検隊みたいなのがあっちこっちにいて。
表向きはすごい絶景ポイントがあったりとか、すごいいいムードがある南極だけど、実はドロドロした場所でもある、それが今回の作品のテーマに実は沿っているんで、結構見て欲しいなってところがあります。
でも、そんな凄いドラマとのリンクがありながら、ホントの理由は違うところにあるんですけど・・・・。
石 田 : 資源戦争で言えばユーラシア大陸とかアフリカとかでもいいと思うんですけど、いの一番に南極を思いついた理由は、やっぱり映画ですね。
金 子 : まあ、物体Xなんですね。
アーサー: 物体Xとは「遊星からの物体X」だと推測されますが、あるいは「遊星よりの物体X」ですか。文字が一部違うだけで内容が異なりますので、正確な情報提供を行ってください。
金 子 : 「遊星からの物体X」ですね。よりの、だと古い方になっちゃうんだよね。
アーサー: 「遊星からの物体X」とは、ジョン・カーペンター監督、カート・ラッセル主演の南極を舞台にした1982年のSF映画ですね。
石 田 : 理詰めで南極じゃないのは、ちょっと言いづらいけど、好きだからっていうことで。
極点で何かが起こるというのは定番だったりするし、やっぱり世代が同じくらいの人は結構グッとくる設定かな、っていう。
金 子 : 一番興味あるのは南極って自転軸があるじゃないですか。その真上に立ってみたいよね、南極大陸。独特の地場のエネルギーとか流れてくるのかな。
たぶん南極点のピンポイントからシュバルツバースは発生していると思うんですけど、イメージとしては逆流ですよね。今まで流れていたものが噴き出してくるというか、今までの流れが逆になっちゃうというか、戻そうとしているというか、そういうイメージですね。
石 田 : やっぱり広がるイメージなんで、軸からですよね。北極か南極かっていう。
金 子 : 北極はやっぱり土地もないし。何より今回のテーマが、実は資源戦争みたいな所も描いてるので、南極って凄くいいよね、って感じもあって。
アーサー: 南極という舞台を選んだことで、あなたたちのアイデアに広がりがでる現象が発生したということもあったのでしょうか。
金 子 : そういってしまえばそうかな。でも、元々表現したかったのは、やっぱり人間のエゴの部分だよね。
やっぱり新しいエネルギーとか、そういうものを見つけた時の奪い合いみたいなことを描きたいよね、って。まあそういう中では、うまくリンクしたとこはあるよね。土地ってものに対して。
石 田 : 人が一杯いて混乱が一杯ある所を起点に同時多発的に全世界に広がる、みたいなアイデアも若干あったりはしたんですけど、やっぱり象徴として極点から広がるっていう方がいいのかな、と。
金 子 : そぎ落とした時には、わかりやすいんじゃないのかなって感じですよね。