Plastic Tree 東京キネマ倶楽部一週間公演「裏インク」
黄色いライトに染まった観客で立錐の余地がまったくないある日の東京キネマ倶楽部。
Plastic Treeが7日間連続のライブを敢行した。もちろん連日この通りの超満員。
日替わりでテーマとする「色」が決められており、取材に訪れた3日目は「黄色」。そのため、客電も写真の通り黄色にセットされているのだ。
Plastic Treeは1993年結成。マーシャル・ブログ初登場である。
ボーカル&ギター、有村竜太朗。
ギター&キーボード、ナカヤマアキラ。
ベース、長谷川正。
ドラム、佐藤ケンケン。
マーブロ初登場というぐらいなので、私も今回初めてPlastic Treeのショウを拝見した。
もちろん人気の高いバンドなのでその名前は十分に認識していた。しかしこの日が私にとって初プラトゥリ・ステージ。実は結構以前から関わりがあったのだ。その関わりについては後に記す。
見た目から想像するにPlastic Treeはボーカル&ギターの竜太朗さんの個性がかなり前面に出ているバンドと思われるであろう。
事実そういう部分も大きいのだが、バンド全体ではこれがなかなか一筋縄でいかない独特の雰囲気とサウンドを持っているのだ。
けだるそうなキャラクターの竜太朗さんは何とも言えない魅力があって…
このバンドのフロントマンとしての役割を完璧に演じている。
さらに、このバンドをこのバンドたらしめているのは、ギターのアキラさんであろう。
先に書いた以前からの関わりというのは、実はアキラさんは2007年初頭ぐらいからのJVMプレイヤーなのだ。長いことJVMを使っていただいているギタリストの方はもちろんまだいらっしゃるが、2007年の初頭というのはJVMが発表になってすぐのこと。その発売になったばかりのJVMを引っ提げてPlastic Treeが武道館公演に臨んでいただいたのがものすごく印象に残っていたのだ。
今日は改造版のJVMとMFキャビをメインに使っていたが、予備にはしっかりと通常のJVM410Hがスタンバイされていた。
アキラさんのギター・プレイはヌーノ・ベッテンコートのシグネチャー・モデルから想像されるサウンドとはほど遠く、まったく独創的なものだ。
ディレイを多用したそのプレイはまるでデヴィッド・トーンのような幻想的なサウンドをクリエイトする。
その独特なギター・プレイが同期のサウンドと絶妙にマッチしているのだ。そして、至極ポップな歌メロとイビツにも美しく絡み合う…というところがPlastic Treeの私流の味わい方だ。
同期の操作の他、キーボードも担当している、アキラさんはまさにこのバンドのサウンドの核なのだ。
その独創性をガッチリとバック・アップするリズム隊も魅力的だ。
アキラさんの繊細なギター・プレイと好対照なワイルドなプレイを見せるベースの正さん。
アクションも派手で目を惹く存在だ。
クリスピーなドラミングでバンドをプッシュするケンケン。
同期のサウンドと寸分のズレも見せずに正確なビートをたたき出す。
このシンプルでストレートなドライブ感もこのバンドの人気の的だ。
もちろん幻想的な雰囲気の曲ばかりではまったくない。そもそも、「幻想的」みたいに感じているのは私ぐらいなのかもしれないな。だいたい私みたいなオッサンもひとりだけだし…。
でも感じ方は人それぞれ。すごくよかった。
で、エキサイティングなドライビング・チューンも数多く用意されていて観ているものを飽きさせない。
ショウの後半はこの通りのノリノリ状態なのだ!
もちろんそんな時はアキラさんもガシガシ弾きまくる。
でも、どこか、こう、なんか違うんだよな。趣味ガラ、仕事ガラ、ずいぶんと色んなギタリストを見てきたが、アキラさんはかなり独特な方に入るな~。
竜太朗さんも、やたらめったら観客を煽ることはせず…
あくまでも歌で観客をエキサイトさせようという感じ。
こうして熱狂のうちに本編が終了。
アンコールにはアコギを携えて竜太朗さんがサブ・ステージに登場。しっとり感満点だ。
最後はおそろいのTシャツに着替えて登場!
「プラトゥリのライブ、いつノルの?」、「今でしょ!」みたいな盛り上がり感。もちろんステージもお客さんもずっとノッてるんだけどね!
キネマ倶楽部からは、残り4回4日間、この調子でブっちぎったやに聞いた。さすがPlastic Tree。また是非観たいバンドだ。ますますの活躍を期待して止まない。
Plastic Treeの詳しい情報はコチラ⇒Plastic Tree Website
(一部敬称略 2013年3月13日 東京キネマ倶楽部にて撮影)