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「子宝の湯 吉奈温泉」の騒ぎについて

昨日お昼過ぎ、共同通信社から流れたニュースですが、以前からお伝えしいるように向かいの「東府屋旅館」さんが東京地裁で破産手続きの開始決定を受けました。
そのニュースは以前からここでお伝えしていることと同じです。

問題は東府屋旅館さんの説明です。
「信用調査会社の帝国データバンクなどによると、東府屋旅館は江戸時代初期に湯治場として創業、約400年の歴史がある。徳川家康の側室が訪れたと伝えられている」
最後の「家康の側室が・・・云々」は戦後「東府屋旅館」が宣伝に使ったものであり、実際の歴史とは違います。

吉奈温泉には家康の側室が実際来訪し、当時は門前町であった吉奈温泉の古刹「善名寺」に多くの寄進をされています。実際の滞在は諸国大名が滞在されるのと同じ宿泊施設「本陣」を構えました。当時の「とうふや」は宿泊業ではありませんでしたし、現在の位置よりずっと離れた場所にあったので、当然滞在されたと言う事実はありません。当の「本陣」は大正時代に営業を止めることになり、その際既に宿泊業を始めていたお向かいの「さかや」に土地と「本陣」としての役目を受け継いでほしいと申し入れがあったそうです。言うなれば御宿さか屋が「本陣」を受け継いだ「家康側室ゆかりの宿」です。

御宿さか屋としては「家康側室が訪れた古湯」である「素晴らしい泉質の子宝の湯」は吉奈温泉全体の歴史的財産として考え、あえて今まで声を大にして来ませんでした。

しかし東府屋旅館さんは個人的な宣伝コピーに、あたかも真実であるかのごとく事実を捻じ曲げてしまわれたのです。経緯を良く知る当館の先代が亡くなった頃からいろんなことをおっしゃるようになりました。「駿府の東の館だから、東府屋」「(時には家康)側室が泊まった子宝の宿」だとか、ちょっと「う〜ん、なるほど」と納得してしまう程、ものすごく上手いキャッチコピーです。全ての宣伝にこのコピーをつけて言いまわれば当然頭に残るでしょう。

以前は「一地方の一温泉地の情報」としての位置づけですから、ある程度の嘘があっても時代の規律もゆるく許容されていました。が、今や地方の小さなニュースが世界を回ってしまう時代です。事実を知る者がNOと言わない限り「事実ではないことも史実になってしまう」この危険性を感じ始めたのは20年ほど前からです。なので以前から改善の申し入れもしてました。

今回「東府屋旅館」さんが破産し、新たな時代を迎える吉奈温泉です。これからはきちんと嘘をつかずに
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