「ここは刑務所か!」ブログで病院批判の岩手県議謝罪 辞職否定
岩手県の県議会議員が、病院の対応に腹を立てて、会計をせずに帰ったことなどを自らのブログに書き込んで、批判が殺到。これを受けて、17日、議員本人が会見で謝罪した。
深々と頭を下げているのは、岩手県の小泉光男県議。
小泉県議は「岩手県立中央病院や岩手県民の皆様に、多大なるご迷惑をおかけし、また、世間をお騒がせしました。本当に申し訳ございませんでした」と述べた。
謝罪のきっかけは、小泉県議が6月、病院での会計の際に、番号で呼ばれたことについて、ブログで「ここは刑務所か! 名前で呼べよ。なんだ241番とは!」と怒りをあらわにしたことだった。
番号ではなく、名前で呼べという主張。
さらには、「会計をすっぽかして帰ったものの、まだ腹の虫が収まりません」とブログにつづった。
病院では、個人情報保護の観点や、同姓同名による混乱を避けるため、受付では、患者を番号で呼ぶケースが増えているが、小泉県議はその後、病院にクレームを入れ、ブログ上でもさらに、「このブログをご覧の皆さん、わたしが間違っていますか。岩手県立中央病院の対応が間違っていると思いますか」と、問いかけていた。
小泉県議の地元、岩手・一戸町では、「あの人の立場上、そういうことを言ったらまずい」、「恥ずかしいなと思っていました」との声が聞かれた。
このブログでの発言が物議を醸し、県議会事務局にも、1週間で500件近い、批判のメールや電話などが寄せられたという。
小泉県議は、岩手・一戸町の出身で、2011年9月の県議会選挙で初当選を果たした新人議員。
先週、ブログでの発言について聞こうと、接触を試みたフジテレビの取材班に、小泉県議は「ちょっと、すみません」と話し、家の中に消えた。
そのあとは、呼びかけに応えず、家から出てくることもなかった。
その小泉県議は、ブログも閉鎖していたが、ついに17日、記者会見で謝罪した。
小泉県議は、「(どのような反応があった?)あんたの考えはおかしいとか、そちらが非常識だとか、そういう類いのものでございました」、「本当に申し訳ございませんでした」、「いっそうの精進を重ね、岩手県議会の議員にふさわしい議員になるべく、日々、努力してまいる所存でございます」と述べた。
小泉県議が、自ら「すっぽかした」と書いた病院の会計については、「翌日に支払った」と説明した。
小泉県議の地元、岩手・一戸町では、「そもそもさ、謝罪するくらいなら、書き込みしない方がいい」、「(議員を)続けてもいいと思いますよ。ただ、それを県民が支持するかどうかだと思う」との声が聞かれた。
小泉県議は、この会見後、議会でも謝罪し、今後については、県議を辞職することはなく、職務にまい進するという。