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地裁も被害者の住所もらす

強制わいせつ事件の裁判をめぐり横浜地方検察庁川崎支部の検察官のミスで被害者の女性の住所などの情報が被告の弁護士に伝わっていた問題で、裁判所も、女性の証人尋問の調書を住所を消さないまま被告の弁護士に渡していたことがわかりました。
去年3月、川崎市の80代の男が自宅を訪れた30代のヘルパーの女性の体を無理やり触ったなどとして強制わいせつの罪で起訴され、ことし3月、横浜地方裁判所川崎支部は実刑判決を言い渡し、被告の男は判決を不服として控訴しています。
裁判所は、女性の要望を受けて個人の特定につながる情報を公開しないよう決定していましたが、先月、女性の自宅に弁護士を通じて被告から示談を求める手紙が届いたため、女性が検察に問い合わせたところ横浜地検川崎支部の検察官が、捜査報告書に書かれた住所や電話番号などを消し忘れたまま被告の弁護士に郵送していたことがわかりました。
また、女性の弁護士などによりますと、横浜地裁川崎支部も女性の証人尋問の調書を住所を消さないまま被告の弁護士に渡していたということです。
女性は住所を知られた不安から引っ越しすることになったということで、近く国に損害賠償を求める訴えを起こすことにしています。横浜地検の中村周司次席検事は「検察のミスで被害者にご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません。指導を徹底したい」とコメントしています。
一方、横浜地裁は「現在事実関係を調査している」としています。この問題を受けて、14日午後、被害者の女性の代理人を務める湯山薫弁護士が神奈川県小田原市で記者会見しました。
それによりますと、女性は裁判で証言を求められた際、住所や電話番号を被告に知られたくないと伝え、これに対し検察官は「あなたの情報は被告や弁護士に出さない」と約束し、裁判では被告から姿が見られないようについたてを立てて証人尋問が行われたということです。
ところが先月下旬に突然、被告から示談を求める手紙が自宅に届いたため、女性は不安で夜も寝つけなくなり、吐き気をもよおすなど体調を崩したということです。
女性は安全を確保するため、来月、引っ越しすることになりましたが、補償について東京高等検察庁に相談したところ、担当の検察官から「被告が示談をしたいと言っているなら、引っ越し代を請求したらどうか」などと言われたということです。
女性は、「検察と裁判所の対応によって住所を知られ、引っ越しを余儀なくされた」などとして、来月にも国を相手に損害賠償を求める訴えを起こす予定だということです。
弁護士によりますと、女性は「このようなことが続けば、性犯罪の被害者は何も言えなくなってしまう。広く世間に知ってもらうことで同じことが繰り返されないようにしてほしい」と話しているということです。

06月14日 18時31分

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