企画展
「岡本太郎のシャーマニズム」 展
2013年4月20日(土)〜7月7日(日)
岡本太郎は、第二次大戦後の日本において、芸術分野のみならず様々な分野で活動を展開しました。多面体とも称される岡本の活躍をめぐって、1996年に没して後、研究が活発化しています。
しかしながら、岡本の作品に込められた意味を理解するための研究は、まだ端緒についたばかりです。というのも、岡本の思想的背景の解明が、不十分であるからです。
岡本の思想的背景としては、これまで、戦前に留学(1930〜40)したパリ大学ソルボンヌ校で師事した民族学者マルセル・モース(1872〜1950)や哲学者アレクサンドル・コジェーヴ(1902〜68)からの影響、秘密結社アセファルにて行動を共にした思想家ジョルジュ・バタイユ(1897〜1962)からの影響などが言及されてきました。
しかしながら、岡本の多岐にわたる創作活動に関し、モース、コジェーヴ、そしてバタイユらの著作からでは説明のつかない部分が少なからずあり、戦後、岡本が修得した思想や知識についても考察する必要があると考えられます。
ところで、岡本は、1950年代初めころよりシャーマニズムへの関心を示し始めます。川崎市岡本太郎美術館は岡本旧蔵書の欧文書籍を391冊所蔵していますが、その中でも、ルーマニア出身の宗教学者ミルチャ・エリアーデの著作『シャーマニズム−古代的エクスタシーの技法』(1951)が、岡本の興味をシャーマニズムへと向かわせた最も注目すべき書籍であると考えられます。
本展覧会では、岡本が作品に込めた意図を解明する手がかりとして、岡本旧蔵のエリアーデの著作等に着目し、1940年代から晩年までの岡本作品の意図解明を試みます。
《反世界》
1964年
油彩・キャンバス
東京国立近代美術館蔵
《沖縄久高島・イザイホー》
1966年
ゼラチンシルバープリント
岡本太郎撮影
《石と樹 I》
1977年
油彩・キャンバス
岡本太郎記念館蔵
【関連イベント】
◆学術シンポジウム 「岡本太郎におけるミルチャ・エリアーデの影響」
日 時:2013年6月16日(日)14:00〜
出席者:奥山倫明氏(南山大学教授)
近藤幸夫氏(慶應義塾大学准教授)
江川純一氏(東京大学宗教学研究室研究員) 司会:佐々木秀憲
会 場:ガイダンスホール(聴講無料・当日先着70名)
後 援:美学会
協 力:慶應アート・センター、南山大学宗教文化研究所
◆記念講演会
日 時:2013年6月23日(日)14:00〜
講 師:鎌田東二氏(京都大学 こころの未来研究センター教授)
演 題:「岡本太郎とシャーマニズム」
会 場:ガイダンスホール(聴講無料・当日先着70名)
会期
:
2013年4月20日(土)〜7月7日(日)
料金
:
一般800(640)円/高大学生・65歳以上600(480)円/ 中学生以下 無料
※本料金で常設展もご覧いただけます
※( )内は20名以上の団体料金
休館日
:
月曜日(4月29日および5月6日を除く) 、4月30日(火)、5月7日(火)
主催
:
川崎市岡本太郎美術館
協力
:
日本映像記録センター、ヴィジュアルフォークロア、株式会社ショウエイ、内田長志
All right reserved TARO OKAMOTO MUSEUM of ART,KAWASAKI