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モノレール貫通ビル解体へ…大地震で倒壊の恐れ

モノレールの軌道跡が貫通するビル。3、4階部分が駅ホームで、上階はマンション(兵庫県姫路市内で)

 大阪万博(1970年)の4年前に全国で初めて建設された公営モノレールの軌道が貫通する兵庫県姫路市内の集合住宅(10階建て)が解体されることになった。貫通部分の耐震性が弱いため大地震で倒壊する恐れがあるとして、所有する都市再生機構(UR)が決めた。建築当時は「画期的なデザイン」とされたが、高度経済成長期の斬新な造りがあだとなった。

 モノレールは66年に開かれた姫路大博覧会に合わせ、市が14億円を投じて整備。当時の国鉄姫路駅から、会場だった市内の手柄山中央公園間の約1・8キロを結び、同年5月から運行したが、利用客が伸びず、8年後に休止。79年に廃止された。

 ビルは建設時に市が1〜4階を買い取り、3、4階を貫いて駅ホームに。1、2階に店舗が入った時期もあったが、現在は市が倉庫として利用し、5〜10階のマンションには77戸のうち約3分の2が入居する。

 モノレール跡は「昭和遺産」として鉄道ファンらに知られ、「ビルの中を見たい」との問い合わせもあるという。しかし、阪神大震災後に行われた耐震診断で「震度6〜7で倒壊・崩壊の危険性あり」とされ、URは補強を検討していたが、コスト面などから断念した。

2013年6月11日  読売新聞)
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