和田監督は「左打者に簡単に打たれてしまった。対右(打者)と左(打者)に差が出ている。配球でカバーしないといけないが、そのへんが課題」と指摘した。特に、左打者の内角に直球を投げきれていない。中西投手コーチは「それはもちろんあるな。フォークは良い球もあった。練習ではやっているんだけど、試合でできていない。左打者はこれからも課題になっていく」と説明。あるチーム関係者は「(シュート回転して)左打者は胸元をつかれる恐怖がないから、外角球にしぼって対応できる」と証言。真ん中から外寄りの球に目付していた銀次も「狙い通りです」。楽天の左打者は、ちゅうちょなく踏み込んできた。
この日は、憧れだった田中との初対決。二回無死満塁のピンチを無失点で切り抜けた田中を、一塁ベンチで見つめた虎の黄金ルーキーは「走者が出てからが全然違う。計算してアウトを取る。行き当たりばったりじゃない。球界を代表する投手だと思う」と脱帽した。田中に追いつきたい。そのための難関が、苦手の左打者克服だ。
3戦連続で六回を投げきれず、5月26日の日本ハム戦(甲子園)以来、白星がない。セ再開となれば、左の弱点を徹底的につかれるはず。チームも奪首に沸いた交流戦が、よもやの3連敗で幕を閉じた。1位巨人とは2・5ゲーム差。藤浪も、チームもリーグ戦が再開される21日(DeNA戦、長野)までの4日間、もう一度立て直しをはかる。 (長友 孝輔)
(紙面から)