指揮官は「レベル的なものもあるし、ここで経験したことをどう生かしていくかだ。もちろん、打つにこしたことはないが、そう簡単ではない」。球界のエースと、1軍でまだ1本もヒットを打ったことのない男。その差は歴然だったが、わずかな“抵抗”は見せてほしかった。それが虎将の「せめて」に表した思いだろう。
前日15日の楽天戦(Kスタ宮城)でも、野原が好機での凡飛を含む3打数無安打。新井良の2軍降格、西岡のDH起用などで、若虎にチャンスを与えてきたが、それに応えてくれない。生え抜きが育たない。虎が抱える慢性的な欠陥は相変わらず。これが指揮官の怒りだ。
交流戦3連敗で終幕となった和田監督は「(リーグ戦再開までに)打線がちょっと下降線なんで、その状態を戻せるようにしたい」。21日から再開するリーグ戦へ向け、関本や新井良の1軍昇格も検討していく。実績のない若虎たちがアピールする機会は限られている。 (栃山 直樹)
(紙面から)