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国際
「この国は腐りきっている」重慶市の7人、訪中の米大統領補佐官に直訴も拘束
2013.5.29 14:05
[オバマ米大統領]
【北京=矢板明夫】中国を訪れているドニロン米大統領補佐官(国家安全保障担当)に直訴の手紙を渡そうとした重慶市の陳情者7人が28日、北京の米国大使館前で中国当局に拘束された。地方政府による強制立ち退きや暴行、冤罪(えんざい)などの被害を受けた彼らは、「中国の人権問題にもっと関心をもってほしい」とオバマ大統領に訴えようとしたが、実現できなかった。
両親が残してくれた唯一の財産である自宅が当局に壊されたが賠償金はもらえず、抗議した妹も拘束されたという袁影さん(53)は、数年前から北京と地元を往復する陳情者となった。民政省と裁判所、新聞社などを回ったが、全く相手にされなかった。「この国は腐りきっている。絶望感で何度も死のうと思った」と話す。
習近平国家主席の6月訪米の下準備のために、ドニロン補佐官が北京に来ていることをニュースで知り、陳情者仲間と相談し、米大使館を訪問しようと思いついたという。
「習主席との会談で中国の人権問題に触れてほしい」などの内容を手紙にしたためた。最初は11人で行く予定だったが、打ち合わせの電話が盗聴されたらしく、2カ所の宿舎のうち1カ所が警察に急襲され、4人の仲間が当日未明に捕まったという。
袁さんらは、28日午前11時ごろ、徒歩で米大使館前にたどり着いたが、私服警察官に捕まり、待機していたバスに乗せられた。袁さんらは「社会治安を乱した」などとして罰せられる恐れもある。
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