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小説

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身体の大きいエルフが、小さい動物たちをかばってやるのは、悪くない。

しかし、傷つき死にかけているエルフに皆がおぶさり、エルフだけ戦わせて自分たちは知らん顔というのが、どうにもイヤな感じだ。

私は、こんな話を子どもたちに読ませたくないし、こういう行動をとる大人にもなって欲しくない。

なぜ、健康な小さい動物たちは、エルフひとりを猛獣と戦わせ、自分たちは安全なところに隠れていたのだろう?

なぜ、小動物たちは、死にそうなほど弱っているエルフを助けて、一緒に戦わおうとしなかったのだろう?

身体が大きいというだけで、自分たちのために犠牲になってくれて当然とでも思っていたのだろうか?

昔、こんな話に感動した自分の良心を疑ったというのが、正直なところだ。

同じ理由で、(童話ではないが)私はポケモンも好きではない。

面白いとは思うし、キャラたちは文句なく可愛い。

しかし、戦わされ、傷つくのはポケモンばかりで、人間はポケモンを使役し声援を送るだけの存在になってしまっている。

果たしてそれで、人間とポケモンが厚い友情で結ばれていると言えるのだろうか?

完全に同等な関係のもと、自らの意志のみによって行なわれる自己犠牲は美しい。

しかし、身体が大きいとか、種が違うとかいう理由だけで、奉仕する側と奉仕される側が決まってしまっている話というのは、どうしても好きになれない。

更新日:2013-05-21 10:42:29