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小説

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登場人物の名前

◆登場人物の名前

短編が多いからか、私の作品には登場人物に名前がないことが多い。

実はこれ、名前の付け方が下手だという自覚ゆえという側面もある。

「字面」と「音ととしての発音しやすさ」、キャラの性格や行動にマッチしているかなど、名前を付けるというのも難しく、考え始めるときりがないからだ。

子どもの頃、江戸川乱歩の小説を読み、ヒロインの名前が「銀子(ぎんこ)」だったことに違和感をおぼえた経験がある。

私の子ども時代ですら、「銀子」は既に強烈に古くさかったからである。

いくら乱歩先生が「銀子は、美人で性格も良く…」みたいに書かれても、どうしてもそういったイメージで銀子さんを捉えることができず、ストーリーは全くおぼえていないのに、違和感だけが記憶に残ってしまった。

読み方がわからず困った…という経験もある。

横溝正史の小説に「妖子」という女性が出てきた時は、読み方がわからずモモヤモヤした。

たぶん、最初のほうで一度だけルビがふられていたのだろうが、見逃してしまったのだろう。

確か中学生だった私は、結局ズボラをして読み方がわからないまま最後まで読みとおした。

読み終わったあとで読み方を確認したような気もするのだが、「あきこ」だったのか「あやこ」なのか未だにさだかではない。

「妖子」という漢字の字面は美しくヒロインのイメージどおりだったので強く印象に残ったが、小説の題名や内容、名前の読み方は全く思い出せないケースである。

いやはや、名前って大事!

「銀子」じゃないけど、時代によって名前の旬が変わるのも大変。

できるだけ、普遍的に感じのいい名前を付けたいと思うのは、書き手の共通の願いだろう。

できることなら、いつまでたっても古びず、字面が良く、なおかつ発音しやすく、キャラのイメージにぴったりの名前が付けたいと思うのは、みな同じ。

若い頃、珍しい名字を集めるのを趣味にしていた時期があったのだが、その時のノートがどうしても見つからない。

登場人物用のマイ人名辞書は是非つくっておくべきだと思っているが、ついつい後回しになっています。

更新日:2013-05-20 08:49:52